リバランス本格化 中央紙器 9月10日 (2019.09.09)
中国のスキーム再構築
中長期経営3ヵ年計画の踊り場
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中央紙器工業(3952)は巻き返し。今年1月から中国事業再構築本格化。リバランスの突破口になりそうだ。昨年12月発表したもので、HKCPI(中国で段ボール製品を販売する香港の100%子会社)が持つ機能を広東省東莞市の関連会社に統合。これに伴い、HKCPI保有MAXTOP(宏冠実業=香港)の持分をパートナーに譲渡するものでスキーム見直しに弾み。当面持分法対象で連結売上高(約19億円)から外れるものの、現行事業規模を維持し収益向上につなげる構えだ。前期まで取り組んだ国内既存事業ダントツ化、海外事業の展開、新規事業構築を巡る中長期経営3ヵ年計画の踊り場。前期振り返ると、国内・中国とも2期にわたり段ボール原紙高騰の影響拡大。原価・販管費改善に傾注する一方、価格改定半ばの状態が続き今期に持ち越した。このため、1Q連結13.1%減収、2.4%営業減益と出遅れ。2Q以降、米中対立の間隙を縫って追い上げる見込み。レンゴー(3941)やダイナパック(3947)と一線を画した動きだ。1996年トヨタ(7203)の資本参加を受け自動車や電機など地についた国内製造業が主取引先。徹底した経済合理性のもと戦略的パートナーシップを築き上げた。HKCPI設立が1994年で中国・マレーシアの拠点展開と呼応。ゆうに20年、現地生産や販売の実績を積み重ねた。リーマンショック1年前から在庫・出荷内製化に取り組み、2011年3月期連結最高益が語り草。2017年トヨタから送り込まれた山下社長(59)が物流畑。もう一皮むける。ワールドスター賞(世界パッケージングコンテスト)16年連続入賞が技術力のあかし。すべて1枚の段ボールからつくられるMCパックがトレードマーク。今年も自動車ボンネットフードの逆さ入れ対応汎用固定材、チェコ向けリアワイパーモータの包装改善を日本パッケージングコンテストに出展。追ってワールドスター賞を目指す。ワンピースだけに改良・改善ぶりが目立つ。踊り場にかかわらず、次の中長期経営ビジョンを検討している。全国段ボール工業組合連合会によると、2019年(歴年)の需要予測146億㎡(101.3%)。前年101.2%で概ね1%の伸び。AIやIoT、5Gなど次世代を加味すると中長期国内外堅調な見通し。2016年4月立ち上げた「デザイン事業企画」が新たな伏線。ダンボール「ねこちぐら」を発売中。BtoBのほかBtoCのMCパックも面白い。
2020年3月期(連結)は、売上高107億円(3.1%減)、営業利益7億円(14.8%減)、経常利益8億1000万円(10.7%減)、純利益5億5000万円(5.2%減))の見通し。配当40円(中間20円)を据え置く予定。設備投資同水準(前期1億800万円)という。働き方改革を含め遮熱対策が受けた。同社の運気好調で来年よし。社長がトヨタと同運でステップアップ。数年後、様々な幸運が集中する。米中対立に動じないのがミソだ。