エコな新本社ビル 六合エレメック 1月31日 (2012.01.30)
岡谷鋼機のグループ戦略
生きた次世代モデル立ち上げ
昨年12月27日竣工した六合エレメックの新本社ビル。1月25日報道陣に公開されエコで話題になった。同社は2010年3月岡谷鋼機(7485)グループ入りした産業用電機・電子機器の販売会社。1958年設立され年商150億円、岡谷鋼機の出資比率83.2%。傘下に3子会社を持ち解決、開発、商社機能を通じてwin‐winビジネスを展開中。08年(50周年)リーマンショックを契機に次世代の取り舵をいっぱい切った。六合(りくごう)は上下と東西南北を指し天下、世界の意。このため、上海洛庫高(ろくごう)電子が中国現地法人の商号という。年明けから新社屋稼働。名古屋市東区白壁3丁目18‐11。敷地527㎡、延床面積1105㎡、鉄骨4階建て。この規模で日建設計と竹中工務店が全力投球している。総工費3億5000万円。省エネ・環境商品開拓を掲げた岡谷鋼機グループ戦略の一環。4階の屋根と南側壁面にパネルを設置した太陽光発電をはじめ屋上・壁面緑化、自然換気、雨水利用、全フロアLED採用、自然光、昼光・人感センサー、潜熱蓄熱材。このほか空調や換気に高効率の省エネタイプを採用し、Low‐E被層ガラス、通常の2倍に相当する断熱材、節水型便器、更生材を使ったウッドデッキやインターロッキングなど盛沢山。大半が日建設計の提案という。生きた次世代モデルを立ち上げたわけで、改良や改善を重ねると市場拡大につながる。メッセ名古屋でも展示された。環境負荷低減手法を組み合わせCO2を36%、年間光熱費35%削減という触れ込みだが、ランニングコストにひきかえイニシャルコストが高く、引き合うのに15年かかるという。それなら10年で回るように取り組めばいい。相手が喜んだ分増収につながる。白壁界隈は尾張藩の旧武家屋敷が多く閑静な佇まい。文教地区で治安もいい。それだけに窮屈な印象だが、地域環境にマッチした外観と社員の意向をふんだんに盛り込んだスペース設計に見どころ。ことに、耐震が病院並みで基準の1.25倍。解放空間やリフレッシュ、セキュリティなど行き届いたもの。これで業績が伸びないと困ったもの。心配になってきた。同社は7月3、4日10~17時、吹上ホール2Fで4年ぶり「エレクトロニクス&インダストリーフェア」を開催する。