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企業レポート

大荒れの中確り アスカ 8月6日 (2019.08.05)

ピーク更新の折り返し 
ハイテン材加工でトップグループ
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 アスカ(7227)は確り。連結ピーク更新の折り返し。計画線上にある。昨夏、ウルトラハイテン材(超高張力材)を加工する3500tTRFを本社工場に導入する一方、AAI(インドネシア現地法人)の3000tTRFも本格稼働。国内事業集約化と連動し収益に貢献している。米中のほか日韓対立、日産ゴーン元会長の後遺症が残る中で大荒れのマーケット。主力の自動車部品事業が2Q連結累計24.7%増収(127.6%営業増益)とリード。ハイテン材加工でトップグループに入った。大手自動車メーカーの4~6月期発表によると、トヨタ(7203)連結8.7%営業増益(通期2.7%同減益)。三菱自(7211)同86.3%営業減益(同19.5%同減益)。日産(7201)も同98.5%営業減益(同27.7%同減益)だけに一線を画した経過。従来の下請け加工から一皮むけた。環境負荷を吸収する軽量化や衝突の際安全性能の向上に特化。自動車産業の構造変化に一石を投じた。1年前、名古屋にミライ‐ラボを設立。現在20人規模で スペシャリストを育成中。常に10、20年後を考えている。自動車部品のほか配電盤(2Q連結累計16.2%増収)、ロボット・システム(同8.2%増収)、モータースポーツ(同9.5%減収)、賃貸・太陽光事業(同16.6%増収)然り。静岡県御殿場市に取得した倉庫が10月フルオープン。前期の株主総会(2月27日)、業績急回復と連続増配も好感された。新体制5年目を数え尻上がりだ。むしろ、自動車産業がハイブリッドやEV、自動運転、シェアリングなど転機を迎えビジネスチャンス。事業多角化に適応できる。日系メーカーが9割以上といわれるインドネシアも転機。1人当たりGDPが4000ドルに迫り、モータリゼーション本格化の目安5000ドル間近。人口2億6900万人(2019年)。2050年世界5指の経済規模になるといわれ、部品メーカーの現地調達が上昇。将来、輸出拠点として泣きどころのルピア安を消化できる。人口ボーナス25年を念頭に新体制10年目がクライマックスとみられる。1997年の上場から20年余り。経営陣が代替わりした上、若手の台頭もあり伸び盛り。昨年暮れ、経産省が地域未来牽引企業に選定する一方、今年7月、サッカーのAS刈谷がクラブ選手権で優勝。うねりが伝わってくる。
 2019年11月期(連結)は、売上高317億円(4.6%増)、営業利益14億円(9.1%増)、経常利益同(26.0%増)、純利益10億円(26.5%増)の見通し。さらに増配し28円配当(期末20円)の予定。設備投資16億円(前期39億2900万円)、償却16億円(同13億5600万円)の計画。機関車が若手に代わりベテランが後押し。仕込み次第で5、10年後大化けも考えられる。大型投資が一巡し慎重に構えているが、トヨタや三菱自、日産もじっとしていられない。マーケットが大荒れであれ、日系メーカーの攻勢に影響を受けそうだ。

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