証券ビュー

企業レポート

喝が入り巻き返し 中京医薬品 7月2日 (2019.07.01)

配置薬の基本取り戻す 
踊り場、正念場でブラッシュアップ
企業HPご案内   前回の企業レポート
 中京医薬品(4558・JQ)は巻き返し。6月26日新体制稼働。喝が入った。山田会長(74)と米津社長(55)中心にベストオーダーによるもの。創業70周年(2019・5)を口火に事業100年を視野。次の100年も続くとみられ、320年以上受け継がれる配置医薬品の基本を取り戻すためだ。究極の訪問販売といわれ、商い・薬・人の信用三方よし。先に医薬品を顧客宅に置き、使用した分を後で清算する先用後利(せんようこうり)が合理的。国内のほかアフリカ奥地のタンザニア。アジアでも、モンゴルやタイなどで始まっている。立ち上がり回り出した。皆保険やインフラがなく大家族等に適しているという。国内では今後少子高齢化に伴い団塊の世代が75歳以上になる2025年から本格的なビジネスチャンス。ゆうに10、20年続きそうだ。人間は、AIやIoT・5Gなど幾らデジタル化が進んでもアナログ変換しないと使い物にならない。現にICT(情報通信技術)を使い、オフィスで小腹を満たすお菓子や、ペットボトルを格納できる小型冷蔵庫にQRコード記載の飲み物リストを置くなど一例。利用状況を検知するセンサにより、使った分課金するサービスも考えられるという。同社の場合、全国64ヵ所に営業拠点を持ち延べ70年のヒューマンネットワークが叩き込まれているだけに人材次第。エビデンス(科学的根拠)の解明もそうだ。開発商品の薬理効果がわかり、ブレークするとトータルライフケアの「ふれあい」が復活する。5月15日発表された中期計画は地道なもの。成長より生存、安心と安全を優先する内容。数値目標も売上高65億円、営業利益1億9500万円、経常利益2億1500万円などサプライズなし。社員が本気で配置薬の合理性を理解し、関連商品のエビデンスに目覚めると流れが一変する。医薬品より保健・健康食品が多く、電力媒介や通販の推進など事業領域拡大。顧客と対面で販売するため、ニーズや健康状態、受診勧奨などセルフメディケーションの一翼を担う。地域密着で防犯や安全パトロールのほか、災害時に急行し飲料水や医薬品・食品など無料提供する場合もある。新薬事法公布から10年以上数え踊り場、正念場を迎えた。必須アミノ酸を含むのが玄米だけといわれる中、興味深いアプローチを聞いた。一にも二にも基本。ブラッシュアップ(磨きをかける)に尽きるという。
 2020年3月期(非連結)は、売上高55億7200万円(6.0%増)、営業利益1億1400万円(2180.0%増)、経常利益1億2600万円(384.6%増)、純利益4500万円(60.7%増)の見通し。配当5円(中間2.5円)を据え置く予定。主力の家庭医薬品等販売事業で小売部門(前期6700万円営業損失)の黒字転換が急務。卸と売水事業部門がじわじわ伸びる見込みだ。社運がステップアップ目前。会長と社長は同運で数年後上振れ。喝が入った印象で動き出したように見える。

>>購読ご案内