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企業レポート

収益じわり拡大 太陽化学 6月18日 (2019.06.18)

10年後の仕込み本格化 
生産性上がり3期連続ピーク更新
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 太陽化学(2902)は青天井。連結収益じわり拡大。3期連続ピーク更新の見通し。治療・栄養・介護・高齢者用食品などニュートリション事業(前期連結18.5%営業増益)、食品の境界・接点など泣きどころを解決するインターフェイスソリューション事業(同14.8%同増益)がリード。研究開発、工場、営業現場でも次第に生産性が上がったという。2008年に四日市本社を郊外の南部工場に集約し、リーマンショック、東日本大震災を乗り切り10年余り。この間市場変化、グローバル化、品質管理など6項目の課題に毎期取り組み逐一手ごたえ。不採算製品を見直し、大手食品メーカーの設備投資にも対応できた。昨年5月完了した南部工場前の土地取得(14億6000万円)が10年後の伏線。6月20日株主総会で阿部啓子氏(72=東大院農学生命科学研究科名誉教授)を新任社外取締役に迎え第2弾。阿部氏は同社と並びで強運の1年。ともに上昇運が続き新たな材料を期待できる。去る2月27日、ティエムティ(持分法関連会社)のMEK(メチルエチルケトン)漏洩事故発生が試金石。2017年3月、マイクロ波化学と立ち上げたショ糖エステル合弁事業(共同出資)によるもので、屋外プラント原料貯蔵タンクからMEKが漏洩し、一部調整池に約7トン流出した。何らかの原因でバルブが開き雨水側溝に流れ込んだ末調整池にたまり異臭発生。幸い近隣被害なく、警察や消防、市など行政当局の指導に従って浄化を進め4月10日収束。懸命だったという。原因究明と再発防止、影響など事後も抜かりない。前期持分法損失7900万円計上している。立ち上げ当初、能力年1000トン、約20億円の売上高を見込んでおり仕切り直しだ。
 2020年3月期(連結)は、売上高420億円(4.7%増)、営業利益43億円(2.6%増)、経常利益44億円(6.6%増)、純利益30億円(14.0%増)の見通し。さらに6円増配し50円配当(中間10円)の予定。設備投資26億4500万円(前期24億6500万円)の計画。前期からギアを上げた。出遅れたアグリフード事業、料理飲食等も巻き返しが見込まれる。海外で中国開封の乾燥野菜、同無錫の緑茶抽出物、同天津の鶏卵加工。インドの食物繊維「サンファイバー」などQOL(生活の質)の戦略拠点。事業100年(2046)を巡る仕込みが本格化。次の100年につながる。数年にわたり運気好調。社会的活動が吉と出ている。

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