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企業レポート

純利益ピーク更新 木曽路 6月4日 (2019.06.03)

新世代を目指し脱皮
徹底した収益改善、設備投資に意欲
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 木曽路(8160)は続伸。本格化の見通し。逐一攻勢に入った。今期34億6000万円(前期21億5300万円)の設備投資が手掛かり。直近3期徹底した収益改善によるもので、懸案のコンプライアンス(企業の社会的責任)、経営・収益基盤の改革、営業基盤の再構築を巡り新世代に向けた仕込み。飲食業界の要といわれるQSC(クォリティ・サービス・クリンリネス=品質・接客・清潔)が決め手。前期新設11・撤退3に対し、新設16・改築/改装6・業態転換1・撤退ゼロの見込みだ。主力の木曽路新設5・改築/改装5を目玉に素材屋、じゃんじゃん亭、とりかく、鈴のれんのほか、新業態からしげ、ここの・大穴(ダイアナ)、てんや(FC)新設計11を数え提案活発。少子・高齢化や単身・共働き世帯増、代替わりなどに呼応するもので、アップデート待ったなし。2015年8月メニュー不正表示に伴う略式命令を受け、行き過ぎた反動がプラスに跳ね返った。2月19日、いち早く10連休のうち5月7、8日一斉休業を打ち出し予想以上の評価。働き方改革につながるという。月次売上高(既存店)によると、トータル3月(103.28%)盛り上がったものの、4月(97.41%)落ち込み客数、客単価も一服。大手メディアが警鐘を鳴らす米中制裁関税の応酬や逆イールド(長短金利逆転)、株安など差し引きマイナスの影響とみられる。例年1~2Q不需要期だけに踏ん張りどころ。来年東京五輪にかけてインバウンド需要がピーク更新といわれ尚さら。中長期でも新世代向け仕込みがものをいう。地元名古屋市で始めた「からしげ」(唐揚げ専門店)、愛知県大府市に出したテンコーポレーションとの「天丼てんや」、4月オープンした日本橋人形町の酒場「大穴」(ダイアナ)も値打ちで若者たちに人気。ネタがアナログでもマーケット自体デジタルで動いている。5月に発表された家計調査(2人以上の世帯)によると、2016年-1.7%、17年-0.3%、18年+0.3%に対し19年1月+2.1%、2月+1.9%。3月+2.1%と好転。同じく日本フードサービス協会の外食産業市場調査(4月度)では全体の売上高101.7%(32ヵ月連続前年比プラス)という。昭和、平成ともに改元後株安に見舞われ、その後立ち直った経緯から前向きに受け入れている。
2020年3月期(非連結)は、売上高470億円(4.2%増)、営業利益26億5000万円(3.0%増)、経常利益27億円(5.3%増)、純利益16億8000万円(1.3%増)の見通し。配当30円(中間15円)の予定。前期、当初23円を30円に修正している。新世代の木曽路を目指し脱皮が始まった。2月から運気が上がりブラッシュアップ(磨き上げること)に力を入れる年。数年後、夢が叶うという。吉江社長(71=会長)も運気好調で追い風。いいポジションになった。前期、12年ぶり純利益(16億2000万円)ピーク更新。今期小幅続伸を見込んでいる。3月20日、名古屋市内の児童養護13施設(772人)を2度目の食事招待でもてなし感謝状を贈呈された。

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