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企業レポート

新風吹き込む カネ美 5月28日 (2019.05.27)

違和感なくあく抜け 
中長期見直し、回復、成長に拍車
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 カネ美食品(2669・JQ)は回復。1Q確り。あく抜けした。落ち込んだ外販事業の収益改善が主因。製造効率や粗利、経費など徹頭徹尾見直した。2018年3月末津(三重県)、同7月末三田(兵庫県)、19年6月末にも秋田工場(秋田県)を閉鎖する見込み。テナント事業と共通する一連の見直しと減損計上が一巡し浮上。月次売上高累計(3~4月)によると、テナント事業既存店100.1%、外販事業既存工場103.1%。取り込み順調という。すでに大掛かりなユニー・ファミマHD(8028)と「ドン・キホーテ」のパン・パシフィックHD(7532)が筆頭株主になる資本異動が伝えられ、5月23日の株主総会でオーナーのトップ交代も承認された。受け入れに違和感なし。伊藤忠(8001)出身の中山会長(61)、生え抜きの園部社長(52)中心に新体制で回復軌道入り。本格化に向けて成長の仕込みが始まった。10年スパンでみると、パン・パシHDが米国、シンガポール、タイに続き香港に進出するといわれ中長期ビジネスチャンス。ユニー創業100周年(2011年)~同社同50周年(19年)の節目・踊り場に相応しい。4月12日、親会社のユニー・ファミマHDが議決権換算523万122株(53.1%)のうち、半分をパン・パシHDに譲渡し持分法適用(26.55%)になった。平成の30年で百貨店、スーパー、コンビニ、ドラッグなど次々頭打ちになる中、令和の胎動が伝わってくる。パン・パシHDが1989年1号店誕生から29期連続増収増益。今期も続伸の見直しで時価総額1兆円強(小売業6位)。今後約10年、ユニー・ファミマHDと同様上昇トレンドにあるためだ。2007年の長崎屋買収成功が口火。ビッグな経営者を目指す創業者(70)がGMSやコンビニの向こうを張り、売り場担当者にすべて任す権限委譲がご時世に受けている。ユニー・ファミマHDや同社に浸透するのも時間の問題だ。数年、乃至10年で国内のほか海外にも跳ね返りそうだ。持分法が適用される同社にとって、見直し、回復、成長に拍車がかかる。現在のスローガンを全うするもので1Q確り。新しい取締役(9)、監査役(4)など新体制の助走と考えられる。
 2020年2月期(非連結)は、売上高862億7400万円、営業利益12億6400万円、経常利益13億円、純利益7億5000万円の見通し。配当60円(中間30円)を据え置く予定。設備投資7億400万円(前期6億7600万円)の計画。4月25日、テナント事業がMEGAドン・キホーテ甲賀水口店(滋賀県)に初出店し手ごたえを確かめている。今後ユニー・ファミマHDの業態転換店舗が続出するためで、これまで半世紀の感謝を新たな成長につなぐチャンス。外販事業も4月から新たに「大阪よどがわ市民生協」向け夕食宅配納品開始。2017年度10兆円を突破した中食(惣菜)市場に新風を吹き込んだ。今期の結果次第で踊り場を抜け出す店舗、工場が出てくる。ご時世にマッチしたポジション。社運によると、自分を変えて吉という。

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