後半尻上がり 福島印刷 4月18日 (2019.04.17)
特需の山と鉢合わせ
事業100年にかけて胸突き八丁
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福島印刷(7870)は計画線。4.1%増収、69.3%営業減益で折り返し確りだ。後半尻上がりとみられる。改元をはじめ新天皇即位、新紙幣発行が新たな手掛かり。さらに、消費増税や東京五輪など特需が見込まれ手が回らない。Web化や需要減、単価落ち込みなどじり貧の印刷業界に光明をもたらした。同社の場合、BF複合(2Q累計94.2%)企画商印サービス(同90.8%)に対し、10年来IPDP(同111.3%)DMDPサービス(同105.7%)が高い伸び。上期の売上高が6期連続最高なら、設備更新に伴う償却や人件費、物流費増など営業減益要因にも前向き。年初来、用紙値上げの影響も承知の上だ。目一杯こなし特需の山と鉢合わせ。やり繰り算段で消化吸収に追われている。2015年6月に業務提携した廣済堂(7868)がMBOによるTOB不成立でもめているが、16年2月稼働した「さいたまサテライト」に限れば当初合意の延長上。印刷機自体独立に稼働し、本社工場を補完するもので効率化。事実上、店子(たなこ)の関係にある。日本郵便主催の全日本DM大賞で共同受章した両備システムズとも親しい。岡山県で同グループの希望就職先ランキング№1.コラボが横に広がってきた。2019年の改元、新天皇即位を踏まえ24年新紙幣発行まで5年。これまでにないビジネスチャンス。人手不足に拍車がかかり、コスト上昇も目白押しだけに正念場。昨年創業90周年を数え、事業100年にかけて胸突き八丁にさしかかる。さらに2年、大掛かりなシステム投資が不可欠という。国や自治体、大手の金融機関、通販業者など取引先に抱え後に引けないためだ。紙加工とデータハンドリング、表現技術が三つのコアスキル。より一層生産性向上が求められフル稼働が続きそうだ。平成30年間、ITの普及に伴い印刷需要が低迷する中で特需発生。令和になってIPDP(自治体や金融機関向け事務通知関連)DMDP(通販業者など販促関連)もかさ上げ。切羽詰まったBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング=企業運営上の業務外部委託)の強いニーズに応えるためだ。
2019年8月期(非連結)は、売上高73億5500万円(2.7%増)、営業利益2億0800万円(34.7%減)、経常利益2億2100万円(31.9%減)、純利益1億5400万円(28.5%減)と従来通り。追い込みに定評がある。配当12円(期末6円)を据え置く予定。設備投資8億6000万円(前期4億5500万円)の計画。償却7億5000万円と高水準。意気込が伝わってくる。先手を打ち負担増を吸収。まだ仕込みが足りないようだ。社運によると、慎重に事を運ぶ年。下畠社長(62)も同運で肝腎なところ。新たな手掛かりこそ天の声と考えられる。