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企業レポート

じわり改善 セリア 3月27日 (2019.03.26)

短期から中長期シフト 
トップに追いつき追い越す仕込み
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 セリア(2782・JQ)は踊り場。短期から中長期シフト。次第に持ち直す見通し。事実上、1年半スランプ。既存店の伸び悩みによるもので、上期99.3%に対し下期2月まで100.3%。じわり改善している。ハロウィン、バレンタインデーなど詰めが甘かったと反省。スランプを通じて成功体験(前期まで9期連続最高益更新)の死角がわかりシステム見直し。近江商人の「三方良し」を学んだという。昨年3月ダイソーのトップ交代、同12月米ダラー・ジェネラルの下方修正が伝えられ、1月3100円の分割後安値。1年でピークの半値以下になった。しかし、時価総額2855億円にのぼり、高島屋(8233)の2669億円を上回る。マーケットが欧米や中露、新興国などデフレの見立て。国内も改元、消費増税、五輪の反動などシュリンク。混迷が続くとみられる。むしろ、購買データによる独自の提案、パート時給引き上げ、セルフレジ導入など逐一問題解決に取り組みビジネスチャンス。踊り場を抜け出し、シェア倍増(現在推定22.1%)、全国3000店舗(前期末1506)を目安に中長期アップデート。トップに追いつき追い越すという。ダイソーは、創業47年を数え過渡期。2代目にとって創業者の成功体験が重荷。2018年3月期の売上高4548億円といわれ、国内3278・海外1992店舗。約7万アイテム月800入れ替えなど引き継いだ。路線対立も伝えられる。同社の場合、若返りに4年先行し急がば回れ。10年に1度の修正場面を通じて中長期シフト。第2幕の仕込みに入った。米国でシアーズやメイシーズなど百貨店が苦戦する中、1ドルショップ、ディスカウント・ストアなど活況。国内も似たような経緯だ。ウォルマートとアマゾンがネット通販で米貧困層を取り込んでいるが、同社の100均高感度。食器や台所用品、インテリアなど品質とデザインでリード。ブロックチェーンによる暗号通貨の時代になっても価値が一定。通貨の一翼を担う伏線になる。首都圏のセルフレジ1号店が「SUICA」(スイカ)など交通系ICカードを使い決済する仕組みで興味深い。既存のPOSシステムに自前のセンサーを組み込んだ。今期を口火に良品開発と商品改良による品質改善、オリジナルオペレーション確立、収益管理体制再構築の3つを目玉に中期計画スタート。5つの機能別戦略に従い本格的な仕込みが始まった。
 2019年3月期(非連結)は、売上高1710億円(7.5%増)、営業利益170億円(3.2%増)、経常利益同(3.0%増)、純利益117億円(3.4%増)と従来通り。配当50円(期末30円)の予定。設備投資60億円(前期56億7000万円)の計画。社運が一段と上昇。協調性を持つとさらに上がり、河合社長(51)も2月から運気アップ。数年後、夢が叶うと出ている。蝋やパラフィンと無縁な亀山から「カメヤマ」が出て蝋燭のトップメーカーとなったように、同社も100均と無縁な大垣からトップをうかがうポジション。向こう10年、全盛と考えられる。

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