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企業レポート

新年度を先取り 三谷産業 3月12日 (2019.03.11)

6事業連携し領域拡大 
ベトナム関連事業の売上高4分の1
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 三谷産業(8285)は尻上がり。3度目の創業に脱皮頻り。新年度を先取りしている。3月8日、「東京都一斉帰宅抑制推進モデル企業」に選ばれ都庁で認定式に参加。大地震を念頭に備蓄と訓練を徹底し、災害対策・リスクマネジメントなど高く評価された。対象12社(推進企業49)のひとつで社員と家族の命を最優先し、BCP(事業継続計画)に取り組むという。2018年2月に創業90周年を迎え、新体制2期目。事業100年のカウントダウンに次の100年を重ねる布石もうかがえる。商社の調達力、メーカーの想像力を両輪に6事業連携による領域拡大を目指すという。戦後のクライマックスを迎え、地元北陸と首都東京、ベトナム3拠点を結ぶマーケット再構築。2月末ベトナムで米朝首脳会談2回目が失敗し、米中対立の矛先が定まらない中、同社はハノイとホーチミンに続き中部のフエにも拠点を構えた。ベトナムの人口約1億人。5500万人が労働人口といわれ平均年齢30歳。同社は1994年から四半世紀、技術移転による事業基盤づくり。投資回収期にさしかかった。中間層の人口が2020年3300万人といわれ、直近小売り売上高も9~10%の伸び。米国が中国を敬遠し尚更だ。同社の場合、ベトナム関連事業の単純合算値が207億9400万円(2018年3月期)。今期209億3600万円の計画。全体の4分の1を占める。投資が先行し収益をリード。化学品・情報システム・エネルギー・樹脂エレクトロニクス・空調設備・住宅設備機器関連6事業のうち、ベトナムとアクティブファーマ関連の案件が好調。1952年東京に進出し、様々な分野でパートナーシップを積み重ねてきた。ともすれば離合集散、拡散気味な6事業の案件。新体制で連携による領域拡大に修正され流れができた。商社の調達機能にメーカーや物流機能をつけ取引先に提案。化学品の貯蔵タンクや自動車向け樹脂部品、アクティブファーマ向け新薬用原薬生産10億円追加投資など一線を越えたものだ。
 2019年3月期(連結)は、売上高830億円(2.7%増)、営業利益23億5000万円(2.2%減)、経常利益27億5000万円(7.5%減)、純利益16億4000万円(22.8%減)と従来通り。配当8円(期末4円)を据え置く予定。資金需要旺盛で回転が利いており、年度末の追い込みが決め手。財務の切り盛りが印象に残った。化学品(アクティブファーマ)と樹脂・エレクトロニクス(複合ユニット製品)、情報システム(パワーエッグ)の取り組みに見どころ。ベトナムでも協業を進める。今年2月から上昇運入り。三谷社長(34)は上昇運の踊り場。数年後、様々な幸運が集中するという。

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