証券ビュー

企業レポート

旋風巻き起こす マキタ 2月26日 (2019.02.25)

ピーク更新来期も強気 
理に叶った増強で伸びしろ大きい
企業HPご案内   前回の企業レポート
 マキタ(6586)は踊り場。連結ピークを更新し高水準。来期も強気だ。全体の約2割をしめる国内(3Q連結累計10.8%増収)、海外(同3.9%増)ともに尻上がり。主力の電動工具にOPE(園芸機器)もリチウムイオンバッテリー製品が続伸。エンジンから充電式(コードレス化)に構造変化が起きている。1958年モーターから電動工具に事業転換し、およそ100年に1度のビジネスチャンス。グループ挙げて排ガス・燃料・始動の手間ゼロと低騒音に挑戦し問題解決を提案。劇的な旋風を巻き起こした。2月19日、ホンダ(7267)が英国撤退を表明、しかし、同社は1991年ミルトンキーンズ(ロンドン郊外)に中堅規模の工場が稼働して以来変更なし。後日トヨタ(7203)も従来通り。むしろ、UKブランドを育て新たな100年の糧にするという。世界レベルの天災をはじめ環境問題、人手不足など問題解決の取り組みが独自のモーター・充電技術を後押し。製品のコードレス・脱エンジン化の推進につながり、2015年(創業100年)を境に本格的な展開に入った。会長(72)と前社長(71)の采配によるもので、4期100年の橋渡し。中興の祖といわれる後藤十次郎元社長のひ孫で後藤社長(43)をトップに一世代若返った。世界の市場規模が電動工具2兆円に対しOPE4兆円。電動工具同様シェア2割を目指すといわれる。2000年にルーマニアと中国昆山に生産拠点を立ち上げ間もなく20年。国内の支店・営業所115、海外50ヵ国の営業拠点を通じて160ヵ国に販路。05年リチウムイオン電池投入を口火にプラットホーム拡大。充電式の普及が急ピッチに進んだ。どの国でも同一品質づくり。米中対立やブレグジット、ベネズエラの混乱など動じない。政経分離が原則でブレないところに定評がある。前回述べたように、期初連結500億円の設備投資を表明し1Q早々71億円余り投入。ルーマニアに中国、国内増強など打ち出し、一連の問題解決にも乗り出した。モーターから電動工具、OPEに駒を進める一方、脱エンジン・コードレス化を促すもので理に叶っている。伸びしろが大きいだけに、将来連結売上高1兆円も考えられる。世界主要都市に拠点を持ち、1から10まで完成品やユーザーと同根で新卒に受けがいい。エンジンに負けないバッテリー技術、パワーアップも課題という。
 2019年3月期(連結)は、売上高4900億円(2.7%増)、営業利益785億円(2.2%減)、税引き前利益787億円(1.5%減)、純利益548億円(0.3%減)と従来通り。上方修正を期待したい。中間配当10円。期末連結配当性向性30%が基準(前期61円)になっている。設備投資350億円が現実に近い。国内で電動工具に続きOPEが充電式に転換し2ケタ成長。海外に先行するもので今後の伸びが見もの。2018年愛知県環境賞を受賞している。社運によると、慎重に事を運ぶ年。会長と社長が運気好調で油断大敵。設備投資、研究開発、一連の問題解決でもう一皮むける。

>>購読ご案内