年度末胸突き八丁 大宝運輸 1月29日 (2019.01.28)
折り紙つきの新拠点
次の100年を前に助走始まる
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大宝運輸(9040)は正念場。前半出遅れ後半追い込み。来期以降持ち直す見通し。10月に東郷コールドセンター稼働が見込まれ、近隣の三好や大高支店など全方位支援。次の100年を前に助走が始まるためだ。構想10年超。衣食住を踏まえエネルギーを加味した合理的なもので、次世代をリードする物流のハブ拠点がついに具体化。働き方改革を通じて取引先の期待にこたえ、地域貢献により人材確保にもつながりそうだ。三好支店(1998年)に続き21年ぶり戦略投資。複数の金融機関から借入金25億円調達。期間20年で無担保・無保証の折り紙つきだ。日銀のマイナス金利政策が天の時で地の利、人の和を促した。2017年9月、愛知労働局長から長時間労働に伴う是正指導を受け、乗務職員の2割違法残業・最長197時間に大目玉。徹頭徹尾取り組んでやり切ったのが伏線。しかし、法令違反を解消しても問題解決にならず、料金改定や人員不足、燃料価格、傭車、残業短縮の影響など懸案山積。にもかかわらず、新たなプロジェクトが動き出した。20年、無担保・無保証が世間の評価でもある。地域や行政と関わり役割の一端を担うもので、最近世界中混乱が伝えられるグローバル化の反動。由来、同社の課題が中規模の物流会社として顧客ニーズに応え自社の特徴を活かす市場開発を掲げており、いろいろな温度帯の商品を管理できるのも核心に近い。次の100年を先取りしている。2010年、小笠原社長(50)中心に新体制を立ち上げ来期10年目。タイムリーに決まった今も30年以上続いた教育立社、門戸開放、自力実行と三位一体。全人教育によるもので、和合塾や自費参加の泡影塾、講習会、運動会、文化祭などを体験した人材がリードしている。もっとも、物流フェステイバルを除いて現在打ち切られ踊り場。今秋稼働予定の新拠点にこれまで約100年のAIがすべて叩き込まれ、次のリーダーが5G(第5世代移動通信システム)やIoT時代を切り盛りする役目。むしろ、労働局長の「社名公表」が一罰百戒。ステークホルダー(利害関係者)の結束に発破をかけた。このため、年度末追い込みと来期前半の仕込みに傾注。1月20日の新年祝賀式で社員、永年勤続者、1年無事故無欠勤329人が表彰された。例年300人以上というが、来年から意識が変わる。昨年7月社内報が600号を数え、半世紀たった今も「何のために働くか」考えよという。
2019年3月期(非連結)は、売上高84億5000万円(0.6%増)、営業利益2億500万円(0.1%増)、経常利益2億3500万円(1.1%増)、純利益1億2000万円(52.2%減)に見直した。配当100円(期末50円)を据え置く予定。設備投資1億円の計画。直近まで事故9件(目標5)、労災6件(同1)、商品事故半分自社(同半減)といわれ胸突き八丁。乗り切る構えだ。会社は初代運で自分の代から流れをつくる。社長が運気好調で今、来期期待をもてる。弥生時代を遡り縄文にヒントがあるという。