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企業レポート

連結続伸尻上がり 太陽化学 1月16日 (2019.01.15)

期待にこたえ弾みつく 
化粧品やトイレタリーにも活路
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 太陽化学(2902)は連結続伸。区間新で折り返し後半確り。尻上がりだ。昨年11月5日の上方修正が手掛かり。化粧品・トイレタリー用途の乳化剤とサプリメント用途の機能性食品素材がリード。前期不採算品を見直し一段と締まっている。ニュートリション(2Q連結累計22.5%営業増益)とインターフェイスソリューション事業(同25.4%営業増益)に明らか。過半を占めるアグリフード(同4.8%営業減益)、その他(料理飲食等)も切り盛りし、市場の変化に負けていない。化粧品・トイレタリー用途の乳化剤が明るい材料。国内外、自然派化粧品や天然系原料シフトが見られ、ナチュラル・オーガニック志向。低刺激と安全性に優れたノニオン界面活性剤「ホリグリセリン誘導体」でやさしく泡立ち。しっかり落とすという。クレンジング(化粧を落とす)が変わり始めた。何より、植物由来の食品からアプローチ。市場が同社の提案を受け入れている。株安が物語るように、昨年10月から原油や材料安につながり踊り場。差し引きプラスに好転した。市場の変化をはじめ販売(グローバル化)、品質管理、環境、人材、業務改善など課題6項目の積み重ね。直近2期様変わりだ。昨年5月完了した南部工場の土地取得(14億1600万円)が10年後の伏線。排水処理を更新し環境に配慮している。2017年3月、マイクロ波化学と立ち上げたショ糖エステル合弁事業然り。マイクロ波により乳化剤の生産性と飛躍的に高めるもので、前回述べた安定供給とコスト見直しからプロセス改善に傾注。急がば回れの印象を受けた。三菱化学と第一工業製薬(4461)がショ糖エステルの市場を2分しており、新工場が本格稼働すると相当な影響も考えられる。中国のパン事業(持分法対象)が巻き返し、ベトナムの即席麺乾燥具材拡販。昨年7月インド連結子会社の株式を追加取得(80%)している。米・韓・中・独の販売会社とタイ・台湾・ベトナム駐在員を結び海外(前期連結14%)のウエートも上がりそうだ。
 2019年3月期(連結)は、売上高410億円(6.0%増)、営業利益42億円(10.5%増)、経常利益同(10.1%増)、純利益28億円(8.4%増)に見直した。3円増配し46円配当(期末36円)の予定。設備投資23億円(前期23億3400円)の計画。運気好調で周りから頼まれるほど。期待にこたえると弾みがつくという。山崎社長(63)は慎重に事を運ぶ年と出ている。得意先とみられる明治(2269)、味の素(2802)、日清食品(2847)軒並み上昇トレンド。同社にとっていいポジションと考えられる。米中対立やブレグジット、第4次産業革命など一線を画した世界。4人に1人が研究開発職。日本で初めて食品用乳化剤と同乳化安定剤製剤の開発、鶏卵加工品の企業化に成功。営業の半分以上研究開発経験者で、化粧品やトイレタリーにも活路を見出した。

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