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企業レポート

数年先幸運が集中 CKD 1月11日 (2019.01.10)

踊り場を迎え前向き 
中長期スーパーサイクルを視野
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 CKD(6407)は踊り場。下期、固定費ほか変動費挙げて収益改善に傾注。逐一持ち直す見通しだ。前期飛ばした半導体の伸び悩みが主因。連結最高益更新の反動とみられ、昨年11月9日の修正発表によるもの。早ければ、年後半市況反転が見込まれ4Q追い込み。攻勢に変わりない。昨秋、米中対立に伸び切った世界景気、株安など影響が表面化。スマホやデータセンター向け一服。昨年12月24日落ち込んだフィラデルフィア半導体指数1069.39にも明らかだ。WSTS(世界半導体市場統計)によると、2019年2.6%増(18年15.9%増)の見込み。しかし、20年5G(次世代通信規格)切り替え、IoTを巡るAIや自動運転、切れ目なく増大するデータニーズから中長期スーパーサイクルの公算が大きい。東北新工場(総投資82億円・生産目標5年後120億円)が新たな手掛かり。近隣に東京エレク(8035)も新工場を構え、トヨタ(7203)の東北拠点にも近い。人材確保が最大の課題という。中国新生産棟(同30億円・同100億円)、春日井工場の生産増強(同20億円・同17年度対比100億円増)も追い込み急ピッチ。設備投資150億円(当初130億円)に見直した。前年度の旺盛な受注に呼応し要員・能力増に踏み切った矢先、半導体中心に需要が頭打ちとなり反転待ち。生産準備費用がかさみ、新基幹システム移行も収益を圧迫した。前回述べたように、「世界のFAトータルサプライヤー」が同社の10年ビジョン。自動機械250億円(前期163億円)、機器1500億円(同994億円)、計1750億円(26年3月期)を視野に踊り場を前向きに受け入れた。東京エレクも昨年10月31日下方修正したが、同5月29日発表した中期計画に変更ない。IoT関連のほかマイニング(仮想通貨)の底入れも考えられ年前半の仕込み次第。バブル崩壊やリーマンショック当時と一線を画している。機器の場合、伸び悩んだ半導体が上期113%、自動車107%、工作機械111%など軒並み前年を上回り、営業赤字9900万円で折り返した。自動機械の黒字転換が急務。下期5億円見込んでいる。予断を許さないが、中国の対米譲歩が伝えられる一方、昨年末発効したTPP、EPA(EUとの経済連携協定)も支援材料。報復関税期限とブレグジット(英国のEU 離脱)を踏まえ、1~3月正念場とみられる。
 2019年3月期(連結)は、売上高1160億円(8.3%増)、営業利益67億円(46.3%増)、経常利益同(同)、純利益48億円(47.5%減)に見直した。さらに3円増配し配当40円(期末20円)の予定。薬品包装国内サービス事業拡大、食品包装機、IoT対応機器拡充などバリエーションに見どころ。本社正門隣の社内託児所が10、20年先の光明を放っている。直近9人に対し最大40人の収容能力、人材育成の第一歩を踏み出した。75周年記念式典や森づくり活動、モノつくりから学ぶ理科教室など一体感がある。運気好調で来年ステップアップ。梶本社長(62)も同運で、数年先幸運が集中する巡り合わせという。

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