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企業レポート

スケールアップ 日東工業 12月18日 (2018.12.17)

第2の創業様変わりも 
ソリューションカンパニーに脱皮 
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 日東工業(6651)は連結上振れ。4期ぶり営業増益の折り返し。下期も強含みだ。10月31日の修正発表によるもので、単体の限界利益増加と子会社の固定資産売却益が主因。3Q、13年ぶり主力製品の5~8%値上げが浸透する一方、11月5日北川工業(6896)買収を表明。ともに、来期フル寄与が見込まれる。前期フェーズゼロで見直した中期4ヵ年計画がフェーズ1、2、3でスケールアップ。パナソニック(6752)と配電盤事業の協業次第で弾みがつきそうだ。国内で中長期残存者利益が視野に入り、海外でも住宅やビル、工場など省エネ性能をソリューション提案できる。北川工業とは電磁波対策で従来取引があり、電機のほか自動車にも通暁するご縁。佐々木社長(62)に「事業・技術領域の拡大などが可能になると考えている」といわしめた。2013年サンテレホン、タキオン、南海電設を連結子会社に6年。メーカーがネットワークインフラとマーケティング機能で結ばれプラットホーム再構築。翌年大洋電機と新愛知電機の株式を追加取得して100%子会社化。標準盤にカスタム分電盤、制御盤などラインナップ。ICTの進化、電力自由化、東京五輪など手掛かりに大手ユーザー向けサプライヤービジネスにも着手。ソリューションカンパニーが次のテーマといわれる。15年、シンガポールの配電盤メーカー・ギャザーゲイツグループを連結子会社に迎え正念場。のれん代16億4800万円を一括償却し黒字転換持ち越し。事業案件が長いためで、グローバル化(東南アジア)の戦略拠点といわれテコ入れに傾注している。2016年、高機能感震ブレーカー(地震・雷・IoT)の実証実験、展開中の充電インフラなど継続案件。コア事業競争力の強化、グローバル化、新規ビジネスの展開に見どころ。社長が大手銀30年、同社10年の経歴から2028年(設立80周年)、38年(同90周年)にかけて相当なリターンが予想される。日々仕込みに明け暮れ、直近ベストメンバー。コネクト(電気と情報をつなぐ)を符丁に躍動している。1967年、東名の名古屋インター東隣に工場新設。70年本社を移転し、74年菊川工場を立ち上げた。50年後の今日、第2の創業を彷彿とするもので、13年ぶり主力製品値上げと北川工業、パナソニックとの連携がきっかけ。数年後、様変わりも考えられる。
 2019年3月期(連結)は、売上高1120億円(3.6%増)、営業利益70億円(21.7%増)、経常利益69億円(22.7%増)、純利益42億円(45.7%増)と従来通り。配当40円(期末20円)の予定。設備投資41億1000万円(前期25億8800万円)の計画。ギャザーゲイツの生産体制改善と製造コスト見直し。タイ金属加工会社との連携強化が課題という。社長が2019年後半から上昇運の走り。懸案が軌道に乗るまで数年かかる。北川工業が上昇運をつかんだだけに先行する見通し。日東学術振興財団の累計助成金4億5800万円(35回)。愛知県内の大学研究者や海外派遣が対象で延べ992人。このうち、天野浩氏(58)が2014年青色LEDでノーベル物理学賞を受賞した。

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