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企業レポート

上場来高値が視野 福島印刷 10月10日 (2018.10.09)

異彩放つ5期連続増収
BPOの市場格大に採算の改善も
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福島印刷(7870)は確り。直近5期連続増収。さらにピーク更新の見通し。人手不足や働き方改革の影響を受けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の市場拡大が主因。顧客ニーズ取り込みによるもので、これまで5期トータル29.7%増収とハイペース。web化や需要減、受注価格下落などじり貧の印刷業界で異彩を放っている。2015年8月期7億2100万円を口火に追加投資旺盛。前期まで延べ32億円にのぼり。今期8億6000万円(89.0%増)の計画。最新鋭の印刷機械導入が目立ち能力増、効率化、差別化に向けて脱皮しきり。規模拡大に伴う人件費や償却負担増と綱引き。前回述べたように、今後システム投資が一巡し営業、設計、人材育成など生産性向上にシフト。今年創業90周年数え100周年の助走に入った。7月の生産動態統計によると、印刷業(従業員120人以上)の生産金額300億5100万円(2.9%減)。1~7月2151億8200万円(2.8%減)と並び横ばいだ。前期同社の売上高構成を見ても、ビジネスフォーム11億7600万円(5.0%減)と商業印刷3億9500万円(10.1%減)に対し、事務通知関連IPDP16億4800万円(1.1%増)、販促関連DMDP39億4000万円(10.0%増)が次の100年を先取りしている。工業統計でもデジタル、高機能、ソリューション・アウトソーシング化を通じてビジネスモデルの転換期に言及。顧客ニーズの業務負担軽減がテーマとなり、企業の人手不足や働き方改革にBPOで貢献するのが決め手とみられる。今後AIやIoT革命によりデータ生成量やフラッシュメモリーが数倍になるといわれ始まったばかり。同業の光ビジネスフォーム(3948)やカワセコンピュータサプライ(7851)、それに廣済堂(7868)など踊り場で試行錯誤しており、同社の5期連続増ピーク更新の次が楽しみだ。小振りながら国や地方、主要企業など納入実績を積み重ね、2017年2月期から従業員400人大台乗せ。今のメンバーでもうひと山期待できる。これから7年、戦後体制のクライマックスといわれ、今期ターニングポイント。相変わらず増収減益予想だが、減価償却費7億5000万円を加味すると先行投資のリターンもうかがえる。
2019年8月期(非連結)は、売上高73億5500万円(2.7%増)、営業利益2億800万円(34.7%減)、経常利益2億2100万円(31.9%減)、純利益1億5400万円(28.5%減)の見通し。配当12円(中間6円)を据え置く予定。躊躇なく落ち着いた。打つ手を打っている印象。会社が来年から調整運で下畠社長(63=しもはた)も同運。すでに活路を見出し、増収で人件費や償却負担増を吸収できる。業界で一括受託サービスが主流になり採算の改善も見込まれる。1997年の上場来高値690円が視野に入った。10月9日の時価総額24億円(前期末の純資産46億円)。明らかに割安だ。株主優待、社会貢献型でも定評があり、中長期人気化の公算が大きい。

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