10年刻み人材育つ 岡谷鋼機 10月5日 (2018.10.04)
連結最高益で折り返す
創業349年ピーク更新さらに続伸
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岡谷鋼機(7485)は続伸。連結最高益で折り返し後半慎重。さらにピーク更新の見通し。世界の鋼材市況上昇によるもので、3月トランプ政権の鉄鋼・アルミ関税引き上げが主因。同社に追い風となり、上期連結営業利益100億円(08年92億円)を突破。リーマンショックから10年ぶり愁眉を開いた。増収より増益が目立ち、構成比4割の鉄鋼11.5%増収(4.2%減益)に対し、産業資材16.6%増収(31.2%増益)。自動車や航空機関連など素材より部品で稼いだ印象。情報電機9.1%増収(6.2%増益)、生活産業7.3%増収(22.1%増益)にも当てはまる。米中貿易戦争や新興国通貨安、FRBの利上げなど影響が出始めたものの動じない。米国の現法が好調で中国も堅調。地政学リスクが和らぎ地についた。後半も増収を見込むが、物流や人件費、金利上昇など泣きどころ。上方修正を見送った。1995年の上場をきっかけに10年刻み。人材が育っている。2019年に創業350年を数え、今春入社した新卒70人。循環しながらグループをリードする仕組みだ。新人3ヵ月海外研修や社内語学講座、海外ナショナルスタッフなどグローバルな人材育成、健康増進の取り組みも見逃せない。上場から今日までグループ会社倍以上、連結純利益約10倍、海外の収益が3分の1占めるようになった。岡谷社長(74)は「全ての社員が後継者」という。新中期計画Gih-2020を掲げ、成長市場、先端商品・技術に挑戦をはじめ6つの事業戦略を開示。連結売上高1兆円、純利益200億円(2021年2月期)が目安。自ら考え挑戦し、やり切る人材を求めている。旧計画Gih-15が連結売上高を除き実現したように、新計画を通じて今期から3年「創業400年」を巡る前哨戦。10、20年後を見越したプログラムが進行中。日本のポジションが世界情勢の混乱やひっきりなしの天災の割に安定しており、理外の理や漁夫の利も注目される。同社は来年から上昇運。社長も同運だけに直近3期調整運の仕込みがきいてくる。
2019年2月期(連結)は、売上高9200億円(8.1%増)、営業利益200億円(11.0%増)、経常利益230億円(2.6%増)、純利益170億円(12.9%増)と従来通り。10円増配し200円配当(期末100円)の予定。設備投資41億円(前期28億3700万円)の計画。償却(39億円)を上回るもので次期注目される。10月12日の時価総額967億円(2Q末連結純資産2126億円)に過ぎず、水準訂正の余地が大きい。2013年から2段上げにとどまり、もうひと山残している。1669年、旧尾張藩の鉄砲町(本社所在地)で「笹屋」を創業し349年。農具や工匠具、家庭用品など御用達から脱皮に次ぎ脱皮を重ね前期連結ピーク更新、今期続伸の見通し。ナンバーワンならぬオンリーワンの鑑だ。