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企業レポート

踊り場から第2幕 セリア 10月4日 (2018.10.03)

オンリーワン目指す 
全国3000店舗シェア倍増も
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 セリア(2782・JQ)は伸び悩み。10年1度の修正場面。踊り場とみられる。年初来、既存店の落ち込みによるもので、小幅ながら客数と客単価に顕著。6月戻したものの7~9月頭打ち。米中貿易戦争や新興国通貨安、米利上げのほか、春先の低温や夏場の熱中症、大阪北部地震、台風21号、さらに北海道地震など天災の影響も事実。日経平均が9月末26年10ヵ月ぶり戻り高値を更新し、デフレとインフレの潮目とも受け取れる。昨年11月以来、100均トップの大創産業上場が伝えられ、最高値をつけた1月から高島屋(8233)の時価総額を上回って推移。前期9年連続最高益を更新しただけに一服。人材をはじめ品質、品揃えなど次の10年仕込みに追われている。ダイソーの矢野会長(75)に「セリアには店や商品でも負けた」といわしめた30年の経緯が手掛かり。同会長は時代に自分がマッチしないと気がついて引退を決め、3月次男の靖二氏(47)に初のトップ代替わり。生き残るには企業として善、徳を積むしかなく社会貢献しなければならない。これから企業の生きる道はそれしかないという。ダイソーより早く、2014年6月に河合社長(51)が創業者からバトンを引き継ぎ4年余。前社長の残した人材が9年連続最高益に貢献。現在の踊り場から第2幕が上がるわけだ。若返りで4年先行し全国3000店舗(前期末1506)、シェア倍増(現在推定28%)が目安。ダイソーは2018年3月期の売上高が4548億円といわれ、国内3278、海外1992店舗。約7万アイテムを揃え月800入れ替え。同社の2万1000アイテム、500~700入れ替えと比較にならないが、質で対抗し直近2期売上高営業利益率10.4%と高水準。キャンドウ(2698)とワッツ(2735)を加えた大手4社ベースでシェア62%と伝えられるダイソーに対し、ナンバーワンでなくオンリーワンを目指す構え。第2幕がAI・IoT革命に相当し、2000年のIT・ネットにひきかえ数倍のスケール。デフレや格差拡大に拍車がかかる一方、世界各地で頻発する天災の備えも欠かせない。国内で来年10月から消費税10%を控え、実用品の売り上げが目立つ。07年100均初のブランド「カラーザデイズ」1号店を立ち上げダイソー追撃が始まった。大手2社が切磋琢磨し、業界をリードしないと社会貢献につながらない。ダイソー上場が現実になるとなおさらだ。先行したデパート、スーパー、ドラッグ、コンビニ追い上げ本格化。これから10年全盛期と考えられる。来年改元もカウントダウン。デパートのほか先行した業界の売れ筋が新たな手掛かり。10年後、売上高3000億円が視野に入った。
 2019年3月期(非連結)は、売上高1710億円(7.5%増)、営業利益170億円、経常利益同(3.0%増)、純利益117億円(3.4%増)の見通し。20円増配し50円配当(中間20円)の予定。設備投資60億円(前期56億7000万円)の計画。出店150(退転55)、既存店99.9%の見立てだ。社長が来年から上昇運。あらゆる手を打っている。

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