ブレないのが真骨頂 マキタ 9月26日 (2018.09.25)
徹頭徹尾コードレス化
100年に1度のビジネスチャンス
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マキタ(6586)は依然好調。1Q 連結ピーク更新。2Q堅調の模様。上方修正を期待できる。米中貿易戦争や新興国通貨安など通期慎重なためで、計画生産台数3100万台(前期3111万台)に基準レート米ドル105円(同110.85円)を加味すると上振れ。増収が最大の手掛かりだ。11月の米中間選次第で波乱も予想されるだけに安定感を増した。前期代替わりした新体制のほか、電動工具からOPE(園芸機器)、エンジンから充電式(コードレス化)の転換も急ピッチ。1915年の創業来、現場主義に伴うアフターサービスが使命という。1958年モーターから電動工具に転換した経緯を踏まえ、100年に1度のビジネスチャンス。欧米ビッグ3に追いつき追い越す足場を固めた。前期10年ぶりピークを更新した矢先に1Q連結8.5%増収、16.3%営業増益。営業利益率17.1%とハイペース。2Q高水準とみられ、9月25日上場来高値5620円(2017年4月1対2に分割)をつけた。時価総額1兆5708億円を数え、連結純資産5515億円の2.8倍。現在、推定コードレス化45%(15年32%)、OPE10%(数年前7%)。ゆうに10年、世界の伸びしろを先取りしている。先進国中心にインフラ更新需要が強い上、東京五輪やリニア、頻発する天災の復興需要などマーケットが拡大。呼応して充電式製品群の拡充、エンジンから充電、顧客サービスの強化に傾注。国内の支店・営業所115、海外約50ヵ国の営業拠点を通じて160ヵ国に販路を拡大している。2000年ルーマニアと中国昆山に生産拠点を立ち上げスケールアップ。どの国でも同一品質の製品づくり。同社の工具は修理代が安く、中長期ならランニングコスト格安といわれる。中興の祖後藤十次郎翁の座右の銘おこるな、いばるな、あせるな、くさるな、まけるなが社訓、人生訓。そのせいか、フロリダを拠点に中米を開拓。ベネズエラやブラジル、アルゼンチンなど他社が撤退する中で地元のニーズにこたえている。今期の設備投資500億円(前期141億4900万円)の計画。これまで最高で1Q 71億7100万円投入。ルーマニアに中国、国内の機械更新をはじめ一連の問題解決に充当するもので目玉がない。9月4日の台風21号に見舞われ一部被災。対応に追われた。天災のほか米中貿易戦争、新興国通貨安など何が起きてもブレないのが真骨頂。モーターから電動工具、OPEに駒を進め、エンジンからコードレス化に構造転換。徹頭徹尾取り組んでいる。
2019年3月期(連結)は、売上高4900億円(2.7%増)、営業利益785億円(2.2%減)、経常利益787億円(1.5%減)、純利益548億円(0.3%減)と地についた見通し。配当は中間10円。連結配当性向30%を基準に決められる。減価償却120億円、研究開発費108億円の計画。国内4.1%、海外2.4%増収を見込み原価・販管費改善にも意欲的だ。社運によると、今年起きることが数年後ボジティブに跳ね返るという。後藤社長(43)は強運の1年。年後半、より安定する巡り合わせ。米中対立が延々続いたところで、孫子は戦わずして勝つといった。