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企業レポート

ダントツ待ち 中央紙器 9月19日 (2018.09.18)

10年刻み今期が関門 
中長期計画やり切りオンリー1に
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 中央紙器工業(3952)は比較的確り。1Q 連結15.7%営業減益。2Q以降ダントツ待ちだ。中長期需要堅調が見込まれるためで、当面製品価格改定と生産性向上が課題。今期3ヵ年計画(2016~18)の最終年度。経営方針・重点実施達成に向けやり切るという。国内既存事業ダントツ化、海外事業の展開、新規事業の構築を巡るもので、業界大手のレンゴー(3941)やダイナパック(3947)と一線を画したプログラム。前期連結で自動車関係63.3%、電機関係が26.6%占め、BtoB(法人向け)のほかBtoC(消費者向け)に参入。9月3日、オンラインショップがオープンした。BtoB60年のノウハウを物語るもので品質や機能、経済合理性につぶしのきいたデザインで消費者の日常に迫る設定。また、東日本大震災で同社のつい立てが重宝され、その後も天災続きだけに非常用の備えや生活必需品の代用など考えられる。現在、日本パッケージングコンテスト16年連続受賞中(通算48作品)。ワールドスターコンテストでも15年連続同(同32)で技術力に定評がある。BtoCの意匠がBtoBを刺激すること請け合いだ。前期連結で国内・中国とも段ボール原紙高騰。製品価格改定半ばの状態が続きリバランス急務。その点、主力の自動車関係1.3%増収、電機関係8.1%増収がバックボーン。全国段ボール工業組合連合会によると、7月まで歴年生産累計101.4%、消費102.2%、出荷98.4%。昨年を若干下回っている。しかし、今後さらにEC(電子商取引)拡大が見込まれ、5年後1割以上増える試算もあり、古紙の値上がりがついて回る。米中貿易戦争や新興国通貨急落の影響で世界経済減速にかかわらず、関税引き上げの跳ね返りも予想される。このため、中長期計画を念頭にリバランスを行うことがダントツの第一歩。6月21日の株主総会でも同計画の進捗に質問が出た。新体制2期目に相当し、筆頭株主トヨタ(7203)の意気込みもうかがえる。山下社長(58)が御大トヨタと同運で上昇3年目。同社も強運の1年で来年好調だけに面白いポジション。国内既存事業がダントツになれば、海外や新規事業に波及。10年刻みで№1ならぬオンリー1が視野に入る。社員年齢構成によると、30代が泣きどころ。20、40代が絶対数でもリードしている模様で、本来のバランスを取り戻すのに10年かかりそうだ。
 2019年3月期(連結)は、売上高123億円(1.6%増)、営業利益7億7000万円(7.2%減)、経常利益8億3000万円(2.3%増)、純利益5億4000万円(11.1%増)の見通し。配当40円(中間20円)を据え置く予定。設備投資同水準(前期2億6700万円)の計画。1Q持分法収益が改善し、減損一巡から同投資損失も解消した。踊り場に違いないが、ポジティブで地味な取り組みがトヨタ譲り。新規事業の目玉がBtoCのデザインに求められ、意匠10年で次世代アジアを先取り。1994年香港進出から24年。中国・マレーシア工場を足場に海外が10年刻みで伸びる。今期が関門になりそうだ。

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