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企業レポート

徐々に持ち直す 藤久 9月5日 (2018.09.04)

会社を根本から変える 
デザインの木プロジェクトやり切る
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 藤久(9966)はボトム圏。7月から構造改革断行。徐々に持ち直す見通し。1月立ち上げた「デザインの木プロジェクト」によるもので、組織再編をはじめ出退店政策見直し、戦略推進プロセス仕組み化、オムニチャネルの推進を骨子に会社を根本から変えるという。現場力、スケールメリット、情報力など同社の強みを活かした「全社戦略」を全役職員が共有し邁進する構えだ。結果をうやむやにせず最後までやり切るのが狙い。創業来初の3期連続営業損失、無配継続が濃厚になり奮い立った。内部留保(前期末純資産100億3800万円)が厚く運転資金に問題ないが、手芸業界トップが3期連続無配では示しがつかない。7月の既存店が92.6(昨年同)にとどまり本社の空気も一変している。前期末474店舗(純減15)。一時出退店を棚上げし現行店舗でマーケットの信を問う場面。およそ全国で月100万人来店客があるとみられ、クライ・ムキ式ソーイングスクール(前期末237)に続く講座(前期延べ377教室)が焦点。教えることは学ぶことで将来につながるためだ。前期退店25を数え、ネット通販や100均、ディスカウントショップなどに顧客が流れたといわれ巻き返し。全国各地の店長会議に後藤社長(61)が出席し、前週九州で盛り上がった模様。会社が来年調整運明け。社長も同運だけにタイムリーだ。一巡後、二、三巡すれば打つ手も変わってくる。8月7日発表された家計調査(2人以上世帯)によると、6月の消費支出実質1.2%減。3月0.2%減、4月1.3%減、5月1.4%減に続きジリ貧。来年10月消費税10%を念頭にありったけ知恵を出すところにきた。見直した中期計画(3年)によると、売上高219億5400万円、営業利益5億7400万円、経常利益5億8400万円(2021年6月期)が目標。これまで品質や品揃えで圧倒しており、消費税10%をクリアできれば復配も視野。これから1年いかに大事かよくわかる。直近、つゆつきのつまみ細工教室開講、夏休み手作りイベント開催、切って貼るオリジナル布シール、パステルカラーのハワイアンコードなどアピール。1Q発表(昨年11月7日)が楽しみだ。
 2019年6月期(非連結)は、売上高199億5400万円(1.1%減)、営業損失5億5000万円、経常損失5億4000万円、純損失7億3100万円の見通し。前回あく抜けし浮上と述べたが、夜明け前を1年持ち越した。中期計画初年度が肝腎なところ。自ら打ち出した「デザインの木プロジェクト」を最後までやり切るのが先決。あっという間の1年だ。9月4日、年初来安値1300円をつけ時価総額54億7900万円。踏ん張りどころに違いない。全社一丸となって顧客の期待にこたえる時がやってきた。

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