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企業レポート

連結売上高上振れ シロキ 8月7日 (2018.08.06)

主力製品の信頼№1 
グループ入り10年で真価がわかる
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 シロキ工業は上振れ。統合2期で連結売上高ほぼ倍増。さらに続伸の見通し。海外まで手が回らないという。アイシン(7259)グループ入り3期目。主力のシート機能部品や車体外装部品など国内の生産集約に追われているためだ。先行する人手や準備費用、設備投資など資金需要旺盛。ボリューム増を消化しながら逐一吸収できないのが現状。8月早々、愛知県豊川市の本社駐車場が満車だった。昨年、トヨタ(7203)のトップが80年前織機を自動車に転換した当時に匹敵すると述べた過渡期。例年4月の役員人事を1月に繰り上げ、グループの社長や銀行、商社など85人(6人増)の新体制。6月に就任したアイシンの伊勢社長(63)も目玉の1人。自動車がEV化、自動運転、シェアリングの荒波にもまれ、直近、親会社の時価総額101兆円(トヨタ23兆円)のグーグルが自動運転をリード。このほか、ライドシェアでも米中異業種の追い上げが急ピッチだ。トヨタは、アイシンがエンジン駆動の車約3万点の部品のうち1万点供給。今後ミッションやエンジンがなくなると2兆円減収いわれるだけに気懸かり。試算によると、2030年半減に近い。AT(オートマチック)世界一のAWにとって泣きどころだ。デンソー(6902)の見立ても車の原価に占める電子部品が2025年50%(16年30%)で似たようなニュアンス。結局、エンジン車が一定の割合で残るものの先細り。№1とオンリー1を除き立つ瀬がない。しかし、シロキの主力製品シートリクライナ・アジャスタ、ウィンドレギュレータやドアロック・ヒンジなど信頼№1。オンリー1ともいわれる。6月11日、大阪工場がM6弱の大阪北部地震により被災した直後、アイシングループの支援たるや迅速で的確。僅か3日で復旧し、16年4月統合直後熊本地震に見舞われ、アイシン九州に駆けつけたシロキの救援をしのいだという。同社はグループ主要207社のうち中核14社の一角。伊原前社長(66)が事業再構築、グループ連携、熊本地震の対応など3期こなし、トヨタ技術畑出身の現社長にリレー。グループの連結収益が好調だけに、重複をなくし新たな収益基盤の強化に取り組むのが狙いという。同様に、シロキにとって連結最高純利益60億9500万円(2011年3月期)更新が次のステップ。中期計画に盛った連結売上高2000億円(22年3月期)を突破。前期2661億円計上し、今期2800億円レベルの模様。おのずと米国やアジアなどアイシンの海外拠点を通じて生産移管も進み物流コストが下がる見通し。社運によると、同社はトヨタと同じ上昇運。松井社長(63)も上り坂で心強い。一方、これまで好調のアイシンと伊勢社長が同運で来年から調整入り。早目の対応が望まれる。同社にとって、国内外の生産集約が事業100年と次の100年の布石。3年後最高益更新が視野に入った。2025年、84年周期で第2次大戦後の転機も伝えられ、アイシングループ入り10年で真価がわかる。2月に創立70周年記念の「シロキ文庫」(豊川市電子図書館)宛200タイトル(214冊)を追加寄贈。計565タイトル(974冊)になった。地元の理解も欠かせない。

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