面目を一新 マルサンアイ 5月25日 (2018.05.24)
みそと豆乳相乗効果
豆乳新工場がグループのアンカー
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マルサンアイ(2551)は確り。計画線の折り返し。面目を一新した。昨年6月稼働した豆乳新工場(連結子会社マルサンアイ鳥取)によるもので、来年4月2期工事に着手し能力倍増(年5万kl)。2020年夏からグループトータル15万kl体制。中長期ハイエンドな装備で高い生産性をリードする見通し。依然、豆乳(2Q連結累計10.3%増収)の収益拡大が見込まれる。ルーツのみそ(同6.2%増収)もブレークスルー。昨年9月発表した液状シリーズが主婦や単身者にヒット。キャップつき鮮度ボトル、常温賞味期限90日、調味料機能も受け、一部コンビニの定番商品になった。2Q 連結累計64.4%営業減益だが、償却負担6億5100万円を加味すると、計算上95.8%営業増益。間もなく1年、豆乳新工場の社内評価70~75点。需要が旺盛で出荷好調なかたわら、製造経費や物流費も予想以上。昨年11月の下方修正を踏まえ、目標未達の生産性向上が喫緊の課題という。新工場のトップ(60)が関連会社ASP(アメリカン・ソイ・プロダクツ)で5年現場体験を積んだエース。満を持して登板し2期工事に備えている。日本豆乳協会によると、2018年1~3月の生産量7万8000kl(5.3%増)でピーク更新。2017年33万9000kl(8.1%増)の延長上にある。直近、同社のシェア19.7%(キッコーマンG54.5%)に上昇しじり高。同協会は20年を目安に50万klの見通しだ。全国味噌工業協同組合の調べでも、昨年豆みその生産量2万4869トン(7.6%増)、調合みそ同2万6285トン(2.4%増)と反転。今年1~3月そろって2ケタの高い伸び。同社は豆みそ主力で絶対量の多い米みそをしのいでいる。海外の和食ブームに輸出急増。こだわり製品も受け、健康志向が高まっている。2013年1月本社みそ第1、第2工場を統合し集約・省人化した合理化効果が大きい。豆乳と両輪で相乗効果が見込まれる。このほか、オーガニック素材を使用したタニタカフェ®監修商品、豆乳飲料冷たいコーンスープ、豆乳グルト(チルド)など尻上がり。みそで培った発酵技術によるものだ。売り上げ、収益、安心安全に人材育成、新事業を加えた5つの基盤にPL、BS改善とCF(キャシュフォロー)拡大3つの体質強化を盛った中期計画。2023年グループ売上高300億円に目鼻。本社のみそ集約・省人化から10年を数え願ってもないポジション。鳥取2期工事と呼応して既存工場の再配置に取り組む構えだ。
2018年9月期(連結)は、売上高257億6900万円(1.7%増)、営業利益4億6000万円(35.2%減)、経常利益4億4400万円(51.8%減)、純利益7億3300万円(77.4%増)に修正なし。配当は期末30円の予定。設備投資7億2500万円(前期51億800万円)の計画。次期20億円レベルなりそうだ。新工場が末代運でグループのアンカー。社運によると、今年起きることが数年後の幸福につながるという。