証券ビュー

企業レポート

強運の1年 カネソウ 4月12日 (2018.04.11)

新年度に反転持ち越す 
五輪関連工事一巡し中長期伸びる 
企業HPご案内   前回の企業レポート
カネソウ(5979)は反転待ち。新年度に持ち越した。年度末の追い込み及ばず、出遅れた前半の成約を取り戻せなかったのが主因。納入が計画を下回り材料高の吸収も不十分。一昨年12月導入したEXジョイント用試験装置を追加購入し、本社第3工場の振動・加振台稼働により製品の実証性能を向上。受注増につなげたいという。7~9月期まで再開発や五輪関連工事本格化により建設資材が東京に一極集中。鋼材在庫(8月末15%減)、建設業の有効求人倍率(同5.48倍)など過熱。10~12月期を踊り場に流れが一変した。ゼネコン大手4社の関連受注が一巡し、工事採算も頭打ちという。同社は首都圏が約4割占め影響が大きい。しかし、国交省が3月30日発表した建設工事受注動態統計調査によると、元請受注高が比較的堅調。昨年10月5.3%増、11月5.2%増、12月1.8%減。今年1月4.8%増、2月も3.1%増と戻しており高原状態。五輪後、大幅な落ち込みも考えにくい。リニア関連工事のほか既存インフラ更新需要が山積しているためだ。同社の場合、免震関連のEXジョイントを主力に外構・街路関連が確り。建機、機械向け製品も需要増が見込まれる。同省が2013年11月にまとめたインフラ長寿命化基本計画によると、今後20年で建設後50年以上経過する道路橋(橋長2m以上)が現在16%から65%になると見込まれ、800兆円にのぼるインフラスットク高齢化に的確に対応する旨の声明がうかがえる。既存インフラのほかPFI(民間資金等活用)事業が2013年から10年で21兆円の試算。首都直下地震や南海トラフ巨大地震など大規模災害も念頭に置いたものだ。直近大手ゼネコンの業績が踊り場を迎え、建設経済研究所の建設投資見通しも2018年度53兆3900億円と横ばい。しかし、中長期国交省の基本計画が有力な手掛かり。1年前述べたように、五輪後21年三重国体、25年大阪万博誘致、27年リニア開業(名古屋駅再開発)など創業100年(2022年)にかかる材料。次の100年の架け橋になる。社運によると、現実的な場面で力量を発揮。強運の1年という。
 2018年3月期(非連結)は、現在集計中。修正予想の売上高76億5000万円(5.4%増)、営業利益4億2000万円(40.3%増)、経常利益3億7000万円(48.7%増)、純利益2億3000万円(45.8%増)未達の模様。配当は昨年10月1日10株を1株に併合し期末75円の予定。設備投資3億円レベル。リーマンショックから10年。ほぼ適正規模に収斂した印象だが、昨年免震・耐震ジョイント投入20年を数え、中長期本格的な普及が見込まれる。スリットみぞ蓋シリーズも追随して伸びる見通し。本社のある三重郡朝日町が2045年の推計人口で全国5番目の増加率(23.5%)という。名古屋まで電車で30分なほか、丘陵地で津波の恐れがなく固定資産税や福祉医療など優遇もある。6番目の愛知県長久手市(22.7%)を上回っている。

>>購読ご案内