活況に包まれ基調よし
第8工場と新体制本格化に目星
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エイケン工業(7265・JQ)は確り。1Q 事実上ピークをしのぐ水準。次の幕が上がった。昨年10月、約6億円投入した第8工場が稼働し2割パワーアップ。年明け、3年ぶり若手の取締役が加わり新体制。昨年8月の創業50年前後から次世代を巡る動きが活発だ。さらに、相当な水準訂正が見込まれる。リーマンショックから10年。早馬社長(61)のリーダーシップによるもので、長期デフレ、東日本大震災、浜岡原発全面停止など吸収。逆境にめげず前向きな経営で地域貢献に努めているためだ。前期(50周年)、20年ぶり売上高と純利益がピークを更新。25円配当(直前期18円)もあかし。地元のホテルに取引先、従業員、オーナーなど招き記念式典。2004年の御前崎市制施行から人口減が泣きどころだけに孤軍奮闘。同市唯一の上場企業で近隣から採用増をもたらした。今年の賃上げ5%といわれインセンティブもうかがえる。2016年2月にヤマシンフィルタ(6240)と業務提携し、担当者ベースで技術交流が始まった。早ければ今期、売り上げ計上も考えられる。ヤマシンが建機向けフィルターを得意とし、油圧ショベル内部の油の汚れを濾過するのに対し、同社は国内外出回る日本車がメイン。部品加工から最終組み立てまで一貫生産。オイルフィルターを中心にこれまで月110万個を2割引き上げたばかり。3年前燃焼機器がコインランドリー用ガスバーナーを口火に息を吹き返し、300トン3次元プレスも金型や、治工具、各種プレス部品のオファー旺盛。数年後、若手(前期平均勤続年数11.5年)中心に新体制が本格化する見通し。同社の場合、ヤマシンよりトヨタのグループ企業からが外注をこなし5年目。このほど品質表彰の声がかかったという。市販フィルターが大手純正メーカーに認められ有力な手掛かり。1年前、ヤマシンとの提携が内燃機関、海外戦略を通じて日本製フィルターのブレイクスルーにつながると述べた。1Qにこだわると、フィルターの営業利益率13.8%(前期12.8%)に対し、燃焼機器15.2%(同15.8%)ともに高い。立ち上げた第8工場がフル稼働すると生産性アップ。前期国内(6.1%増)のほか、ヨーロッパ(1.9%増)とアジア(12.8%増)が堅調で海外の開拓に意欲。円建て輸出によるものだ。
2018年10月期(非連結)は、売上高58億円(5.4%増)、営業利益4億8500万円(0.1%減)、経常利益5億500万円(1.1%減)、純利益3億6100万円(0.8%減)の見通し。配当は、5月1日が効力発生日で5株を1株に併合(単元100株)するため期末100円の予定。設備投資3億5000万円(前期7億7700万円)の計画。1Q 厳しいというが、輸出を加味すると強含み。2月以降、地政学リスクやゴルディロックス(適温)相場の反動が予想されるものの基調よし。同社が今年1年強運なら、社長は冷静に10年先の手を打った。第8工場と新体制が軌道に乗れば前半5年で目星。トヨタのグループ企業やヤマシンとの進展も期待できる。活気に包まれていた。