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企業レポート

新年度巻き返し セリア 3月20日 (2018.03.19)

格差拡大に呼応できる 
後半ブレーキかかり原点に戻る 
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セリア(2782・JQ)は誤算。後半ブレーキがかかり巻き返し。新年度持ち直す見込みだ。既存店の落ち込みによるもので、前半103.3%に対し後半2月末まで累計99.2%。天候要因のほかインプット、システム上の問題など主因。これまでヒット商品に恵まれ順調にきたが、今後短期から中長期シフト。ロングセラーを目指すという。昨年10月、設立30年。平成と軌を一にしてワンジェネレーション。3月1日、最大手のダイソーがトップ交代を発表した。江戸時代も元禄元年(1688)をピークに大調整30年。格差拡大がきわまり市場2極化。享保の改革(1716~30)を通じて「十九文店」(じゅうくもんみせ)が繁盛し、明和年間(1764~)まで40年続いた。当時19文が今の500円といわれ、蕎麦に天ぷらをつけた程度という。比較できないが第2幕に違いない。同社は2014年6月、河合社長(50)が2代目に就任。価格競争でなく品質、品揃えの改善・向上に傾注しシェア(推定25%)倍増を打ち出した。現在2万アイテム超の商品を年14億個、4つの物流倉庫経由で1400超の店舗に供給している。07年に新ブランド「カラーザデイズ」(2Q末57.3%)を導入し10年余り。全国各地のオファーにこたえ本格的な展開が始まった。出店構想によると、今期150(純増90)に対し来期160(同110)の見込み。英米や中国などの「100均」にひきかえ、おしゃれで実用的。品質に定評があり、明るい雰囲気も人気のひとつだ。2月に創業者が郷土の大垣市に教育資金として株と現金の寄付を表明。同社を30%保有する筆頭株主ヒロコーポレーションの社長であり、ヒロ60株と5000万円が対象。株価の行方も基金を左右するだけに耳寄りなプレゼントだ。同市が4月に市制100年を数え、次の100年を迎えるイントロに相当する。古来「水の都」といわれ、豊富で良質な地下水に恵まれた産業文化都市。人口16万の規模で上場会社8つ。同41万人で県庁のある岐阜市9つと肩を並べる。立山や富士と同様、地の底から湧水が万物にエネルギーをもたらした印象。元禄2年、松尾芭蕉(当時46)が江戸から東北、北陸を回り大垣で「奥の細道49」を仕上げた。蛤(はまぐり)の ふたみにわかれ ゆく秋ぞ 同社の場合、これから過疎・貧困化がどんなに進もうと顧客増が見込まれ、格差拡大に呼応できるのが強み。ずばり、既存店の落ち込みを解明すると立ち直るはずだ。
2018年3月期(非連結)は、売上高1590億円(9.4%増)、営業利益170億円(12.1%増)、経常利益同(11.7%増)、純利益117億円(11.1%増)の見通し。昨年4月1株を2株に分割しており、期末配当30円(前期40円)の予定。設備投資60億円(前期50億円)の計画。来期も強含み。5月10日決算発表の運びだ。基本的に良品開発と改良、チェーン・オペレーション、収益管理体制など原点に戻すという。具体的にPOS、営業、新商品、基本商材、店舗拡充など然り。後半のブレーキを前向きにとらえている。今年は強運の1年。懸案が少しずつ解決すると出ている。社長は来年から上昇運。今年が決め手だ。2016年12月に大垣祭(今年5月12・13日)がユネスコ無形文化遺産、芭蕉の「奥の細道」も日本遺産に登録される見通し。同社が巻き返すのも時間の問題だ。

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