証券ビュー

企業レポート

2月13日に3Q発表 大同メタル 1月31日 (2018.01.30)

中期計画後半大詰め 
軸受のほか関連事業に先手打つ 
企業HPご案内   前回の企業レポート
 大同メタル工業(7245)は連結復調。中期計画後半大詰め。直線コースに入った。昨年11月14日の下方修正を受けたもので、償却負担増と負ののれん償却を加味すると、滑り込みセーフの際どいタイミング。新年度発表される新中期計画の発射台になりそうだ。トランプ米大統領が円安株高をもたらし、11月に中間選を迎えるためで、昨年末成立した法人減税と設備投資の即時償却が最大の手掛かり。1月30日の一般教書で10年1兆7000億ドル規模(当初1兆ドル)のインフラ投資、TPP復帰など支援材料。短期的に追い風とみられる。国内7.2%増収、アジア90.5%増収、北米59.4%増収、欧州21.1%増収で折り返し、北米の営業損益が黒字転換し欧州増益の半面、国内とアジアの採算改善が課題。2月13日の3Q 発表を踏まえ、年度末こなすと新年度回転が利く見通し。前半、中国と米国で自動車の減速が伝えられ、電動化シフトも逆風になったが、世界の主要中銀によるゴルディロックス(適温)相場をIMFが後押し。1月26日のダボス会議終了後、先進国と新興国「すべてエンジンが稼働している」という。同社の場合、自動車用エンジン軸受で世界シェア32.5%(2016年)といわれ、同エンジンを除く軸受や非自動車用軸受、自動車用軸受を除く部品、電気二重層キャパシタ用電極シート、金属系無潤滑軸受など関連分野でも高いシェア。自動車の内燃機関と電動化が補完関係にあり、電動化のハードルも高いだけに、新中期計画でトップシェアの解が出るわけではない。絶えずバイメタルを含め改良・改善に尽きる。リーマン危機前後のリストラにより4期連続赤字を計上し、「サバイバルプラン」で固定費を20%削減。2011年3月期最高益を計上したのが語り草。トラウマに苦しんだ北米、東日本大震災でも復活した経験が役に立つ。現在、中国・蘇州で自動車用軸受工場を増強。国内も岐阜県で第3工場が稼働し、樹脂加工による耐久性を高めた軸受や治具を生産している。前期4Qから飯野HD、今期旭テックの子会社ATAキャスティングテクノロジージャパンもグループ入り。軸受関連事業を固め、連結売上高1000億円大台を突破する見込み。新計画で外堀のほか内堀も埋める印象。昨年12月、日本ピストンリングの連結子会社出資持ち分の一部取得。今年1月、タイ子会社を設立し電動化自動車向けアルミダイカスト製品に先手を打った。
 2018年3月期(連結)は、売上高1010億円(18.7%増)、営業利益56億円(9.7%増)、経常利益58億円(6.9%増)、純利益27億円(2.4%増)に見直した。配当30円(期末15円)。据え置く予定。設備投資70億円(前期123億円)の計画。峠を越すと考えられる。前回、今期が決め手と述べた。年度末まで2ヵ月。詰めが興味深い。初代運の会社であり、2018年に今までの苦労が報われると出ている。

>>購読ご案内