マイナス要因なし 名工建設 1月23日 (2018.01.22)
人手足りずフル稼働
リニア開業後メンテナンスに期待
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名工建設(1869)はフル稼働。人手不足の状態。昨年10月30日上方修正した。期初手持ち工事(連結802億円)が豊富なうえ、上期の受注299億円(4.9%増)、完工402億円(6.4%増)ともに高水準。もっぱら工事採算の改善によるものだ。3Q延長上、4Q追い込み。来期以降マイナス要因なし。渡邉社長(64)が時間を割いて現場を飛び回っている。新年度発表される「第17次経営計画」(2018~20年度)を控えているためで、2027年品川~名古屋リニア開業まで10年を切り、大阪延伸最大8年繰り上げも視野。リニア関連工事よりガイドウェイをはじめ一連のメンテナンス工事が本格化すると真骨頂。安全・安定輸送を期して東海道新幹線のほか東北・上越・九州新幹線など建設に携わり、脱線・逸脱や耐震・維持補修など大規模改修や追加工事が毎期続くだけに記録的なビジネスチャンス。基盤インフラを守るため、何より保守・メンテナンスが最優先され人材育成が不可欠。すでに団塊の世代がリタイアし、新卒・シニア・女性など三段構えで取り組んでいる。旧本社再開発の一環で名駅1丁目1番1号の物件。2016年6月、東京と福岡に次ぐ「KITTE名古屋」の商業施設がオープン。オフィスやテナント入居など今期から不動産事業等の黒字転換が見込まれ、ストック経営の布石を打った。昨年4月、旧国鉄民営化30周年を期してJRゲートタワーが全面開業しただけに、今後10、20年スパンで様変わり。試算によると、名古屋圏の再開発プロジェクト延べ87件。1兆9000億円の規模。リニア2027年開業が先決だけに、1日たりとも手を抜けないのが現状。再三述べたように、旧国鉄名古屋駅完成(1937)年)、同社設立(1941年)以来100年に1度のプロジェクト。名古屋鉄道管理局の土木・建築請負を目的にメンテナンスがルーツ。土木が約7割占め、建築が相対的に弱いという。しかし、JR東海の新幹線大規模改修工事3年分(336億円)を受注した2014年3月期を境に次の100年が顔を出した。新幹線とリニアのメンテナンスをこなし、自らスットク経営の当事者になった。新経営計画が明らかになると、ピークの連結売上高916億円、経常利益53億5600万円(2016年3月期)が一過性でないとわかるはずだ。まだ助走に過ぎない。リニア開業後、メンテナンス工事が始まると断然強い。
2018年3月期(連結)は、売上高895億円(0.4%増)、営業利益40億円(17.6%減)、経常利益42億円(同)、純利益31億5000万円(9.0%減)に見直した。配当14円(期末7円)を据え置く予定。設備投資14億円(前期15億円)の計画。1月29日3Q発表の見込み。1月22日現在、時価総額292億円(連結純資産415億円)にとどまり、中長期大化けの公算が大きい。昨年12月、JPタワー名古屋が中部建築賞(特別賞)を受賞した。