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企業レポート

層をなす人材 岡谷鋼機 1月1日 (2018.01.01)

落ち込みを取り戻す
19年以降朝日がのぼるポジション
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岡谷鋼機(7485)は正念場。2期ぶりピークに匹敵する経過。3Q確り4Q追い込み。何も起きないと上振れの公算が大きい。主力の鉄鋼をはじめ情報・電機、産業資材、生活産業そろって堅調。産業界もゴルディロックス相場(適温)が続いている。程なくリーマンショックから10年。北朝鮮やイスラエル、サウジなど内憂外患。欧米や中露、日本もそうだ。しかし、何が起きても驚かない。同社は創業以来348年の歴史。変化に対応するほかなく、オールド・ミーツ・ニュー(温故知新)。共存するすべを知っている。本社応接にある一枚のポスターが素晴らしい。世界各地の拠点スタッフが同社を支えているさまを伝えるもの。連結4926人(2017年2月期)躍動している。3Q、来期つかまったところで300年以上受け継がれた免疫力。エノキアン協会47社(日本8社)の一角で、同社にとって上場したのが画期的といわれ、押しも押されもしない。常に新分野をとらえているためで、2011年度Gih-15と16年度Gih-2020にも明らか。二つの中期計画を通じて10年。取り組んできた新事業プロジェクトが幾つか具体化する見通し。Gih-15の実績が連結売上高7854億円(目標1兆円)、純利益128億円(同100億円)、海外取引31.6%(同30%超)に対し、Gih-2020の目標連結売上高1兆円、純利益200億円、海外取引35%以上。事業戦略も成長市場、先端商品・技術に挑戦をトップに付加価値生産性の向上、自ら考え挑戦しやり切る人材の育成など6項目。前半5年引き締まっただけに、前期の落ち込みを取り戻した今期の折り返しから胸突き八丁。逐一プロジェクトの進行が鍵を握っている。直近、「ワンマイルモビリティ」プロトタイプ初号機完成が目新しい材料。ハンドルやアクセル、ブレーキを必要としない完全自動運転EV。ティアフォーが同社、アイサンテクノロジー(4667)と共同開発を進め、2018年春から実証試験。19年にかけてワンマイルモビリティ(限定地域で低速自動走行技術を活用した問題解決型の次世代端末交通システム)の事業化を目指す。シリコンバレー事務所開設も自動運転によりトラックの隊列走行を促し、運転手の人手不足に対応するなど、社会問題解決型の新規ビジネスを構築する。国内および東南アジアでもサービスの展開に注力していく。それに、竹中工務店と共同で作業現場の清掃を省力化する「TOギャザー」も問題解決に一役。所要時間半減が見込まれ、建設のほか工場現場で引き合いも伝えられる。現在、東京五輪関連で首都圏に引っ張られているが、2020年過ぎからリニア関連。品川~名古屋間にインフラ需要が高まるとみられビジネスチャンス。27年開業予定で恵まれたポジション。2019年から社運上昇。岡谷社長(73)も同運で弾みがつきそうだ。
2018年2月期(連結)は、売上高8200億円(8.9%増)、営業利益160億円(10.6%増)、経常利益195億円(8.0%増)、純利益130億円(12.0%増)と従来通り。慎重だけに期待をもてる。さらに5円増配し、180円配当(期末90円)の予定。1995年12月に上場され20年余り。前半10年ガバナンスやCSR(企業の社会的責任)などもまれた人材が後半10年リード。層をなしている。若手が伸び始めた、女性総合職も育ってきている。2018年を夜明け前とすれば、19年以降朝日がのぼるポジション。AI、ロボット、IoTの時代であれ、人材が育っているだけに伸びる。北米、タイよし。ポーランドも薄日が差した。

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