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企業レポート

タイの新拠点本格化 ヨシタケ 12月5日 (2017.12.04)

モニタリング受ける
タイだけで10、20年分の仕込み
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ヨシタケ(6488・JQ)は強含み。連結計画線の折り返し。連続増配を表明している。国内で主力の蒸気配管向けバルブが好調なほか、中国、アセアンなど海外の収益拡大によるもので通期続伸の見通し。全体の約半分を占めるYWT(ヨシタケ・ワークス・タイランド)の生産が本格化。従業員が前期末連結547人(単体258人)を数え国内の人手不足を解消。生産性向上も手掛かりだ。2011~12年洪水に見舞われたアユタヤ県の旧拠点を減損処理(1億7800万円)した跳ね返り。約25億円投入しチョンブリ県に新拠点を立ち上げ、現地で山田社長(48)が陣頭指揮。前回、ピークの連結売上高65億9700万円(08年3月期)、営業利益7億6000万円、経常利益10億1100万円、純利益6億4100万円(07年3月期)更新が視野に入ったと述べた。2Q連結累計国内1.7%増収(3.2%営業増益)に対し、東南アジア23.5%増収(10.6%同増益)に出ている。商品及び製品在庫10億2400万円(15.8%増)ビジネスチャンスに備えるもの。Wi-Flo(ワイフロー=モニタリングシステム)が受けている。省エネ・省資源の提案(2016年度目標比133%)、製品アセスメント(平均改善率16.1%)の取り組みや、2017管工機材・設備総合展(大阪)もこれまでになく盛況という。国内で東京五輪、リニア、名古屋駅前再開発など待ったなし。中国やアセアンでも一帯一路関連の案件が具体化。ドバイ経由で中東にも販路を開拓した。8月にアセアン発足50年を迎え、バンコク宣言当初の5ヵ国が10ヵ国に拡大。2016年のGDP310兆円(120倍)。15年から平均関税率が0.23%に下がった。中国の台頭で善し悪しだが、日系メーカーの進出に欠かせず前向き。タイの経済指標を見ても、7~9月期自動車販売台数12.2%増、外国人来訪者数6.4%増と回復基調。昨年10月在位70年の前国王(享年88)が亡くなり1年有余。11月にプラユット首相が内閣改造を実施。軍事政権が18年11月総選挙を行い民政に復帰するという。売上高、営業利益、資産、従業員など業界中堅で願ってもないポジション。人体で心臓に匹敵するポンプ機能を持ち、自動制御できるモニターつきが伸びている。
2018年3月期(連結)は、売上高67億3000万円(5.0%増)、営業利益7億円(9.9%増)、経常利益8億9000万円(4.2%増)、純利益6億8000万円(9.4%増)と従来通り。2円増配し期末32円配当の予定。設備投資前期(約3億円)並み。4日1215円で引けた。時価総額84億円(2Q連結純資産103億円)。まだ割安だ。例年悪いところがあったものの、今年何もないという。18年も社運が安定しており、同年起きることが数年後の幸運につながる。社長も同運で興味深い。昨年で就任10年に相当し、タイだけで10、20年分の仕込みと考えられる。

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