証券ビュー

企業レポート

1年後様変わり 木曽路 11月28日 (2017.11.27)

半世紀を超えて脱皮 
一段と損益分岐点下がり出店攻勢 
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木曽路(8160)は復調。1年後様変わり。業績回復に弾みがつきそうだ。7月28日の修正発表によるもので、一連の原価・販管費の改善が主因。一段と損益分岐点が下がり、連続増配を表明している。3年前発覚した食材偽装表示、前社長辞任、元社長復帰(会長兼務)を通じて法令順守と体制強化に傾注。すでに調整一巡。来期出店の仕込みに入った。6月にしゃぶしゃぶ祭を見送り2Q累計0.2%減収になったが、食材やメニュー・ロス管理など原価や勤務シフト・広告販促・消耗品など販管費見直しを進め採算が大幅に改善している。間髪を入れず、組織変更と役員人事により営業・管理統括本部を新設し、業務推進を後押ししたのが大きい。昨年3月から主力の「木曽路」をテコ入れ。今春黒豚しゃぶしゃぶ投入。8月下旬から一品料理秋の「収穫祭」、10月に25年振り「美しい味」篇を新TVCMで流し、しゃぶしゃぶ・日本料理「木曽路」をリニューアル。地元のほか首都圏、関西、九州にもアップデートの現状を伝えた。今年11月、上場30年。現在118店舗(1987年79)を数え、1966年1号店(瓦町)オープンから半世紀を超えて脱皮。事業100年を目指す展開に入った。年央から開発・企画・営業そろって底上げが続き、総勢10人といわれる立地担当を増員。来期「木曽路」中心に2ケタ出店を固めた模様だ。23日始まった米年末商戦。株高を追い風に富裕層がリード。来年リーマンショック10年に相当し、当時と逆相関も考えられるだけに日本でも追随の動き。同社は上場来日経平均と連動しており、いち早く9月26日2890円の戻り高値をつけた。11月27日現在、時価総額699億円(2Q累計純資産284億円)と来年を先取り。3年前の不祥事にも動じず一貫してじり高をたどっている。10月の既存店月次売上高によると、「木曽路」97.50、素材屋101.53、じゃんじゃん亭97.83、とりかく104.42、鈴のれん86.15%。計(その他)97.50%と物足りない。しかし、大型台風や休祭日の天候不順によるもので、事実上8月101.93、9月100.82%と並ぶ水準。これまで赤字のしゃぶしゃぶ祭が今秋黒字転換しインセンティブも上がった。日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査(9月)によると、全体の売上高103.3%と3ヵ月連続上昇。一方、総務省の家計調査(2人以上)によると、9月の実質消費支出0.3%減。7月0.2%減、8月0.8%増と並び横ばいだ。さらに、同社の運勢によると、来年後半から上昇。吉江会長兼社長(70)が来年強運だけに立ち直る公算が大きい。
2018年3月期(非連結)は、売上高446億円(0.6%増)、営業利益21億円(96.1%増)、経常利益21億6000万円(82.2%増)、純利益11億8000万円(104.8%増)に見直した。配当18円(期末9円)の予定。出店1(退店1)にとどまる見込み。来期の設備投資20~25億円とみられる。相次ぐしゃぶしゃぶ業態新規参入に対し、独自のもてなしを改良改善し磨きをかけるという。FC、HD、海外も視野に脱皮が始まった。次世代を巡るもので、2022年(設立70年)が新たなステップ。これから1年初動と考えられる

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