連結反転し続伸 旭化学 11月1日 (2017.10.31)
5年後に本格的な展開
タイ足場にアセアンがフロンティア
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旭化学工業(7928・JQ)は連結反転。前期末追い込み今期続伸の構え。ボトム圏から抜け出した。10月12日の決算発表によるもので、中国の連結子会社健闘が主因。トータル70点の出来という。親会社は計画線上。タイの連結子会社が黒字化にもう1年かかる印象。2001年中国、11年タイに連結子会社を立ち上げ、3ヵ国4拠点連携にあと一歩。杉浦社長(50)が就任7年を数え、22年(創業60周年)次世代の節目。5年後に本格的な展開が見込まれる。日銀によると、日系企業のタイ直接投資残高が2016年末累計6兆2700億円。アジアで中国12兆6400億円に次ぐ規模。今後アセアンに広がる公算が大きいためだ。前期末の連結売上高構成によると、電動工具成形品56.8%、自動車部品成形品31.7%、樹脂金型8.3%、自社製品1.2%、その他成形品2.1%。マキタ(6586)、イノアック、豊田合成(7282)など電動工具や自動車部品のほか、横に広がることも考えられる。現在中国が手一杯で増強の余地なしといわれ、タイを足場にアセアンがフロンティア。10、20年後中国並み(前期の売上高37億3600万円、営業利益2億4000万円)になると連携自在。3ヵ国4拠点で日系企業の発展に貢献できる。これから1年正念場。あと5年で将来が決まるとみられ、2年先に新規の大口案件を抱えている模様。前回述べたように、中間管理者の育成、合理的な生産方法、新技術の導入など急務だ。11月28日退任が決まった会長(76)に対し、社長中心に新体制が本格化。2018年から社運好調だけに、今までの懸案が徐々に解決する運び。社長の運勢によると、18年に起きることが数年後の幸運につながるという。タイに限ると、今期の連結売上高3億5000万円(前期2億7000万円)の計画。前期の営業赤字が8700万円(直前期同7500万円)に増加しており、トップのテコ入れなしに収まらない。バンコクJCC(日本人商工会議所)が発表した2017年上期タイ日系企業景気動向調査によると、2016年下期からDI(業況感指数)が好転。タイ政府に要望や投資環境の改善を求める声が出始めた。
2018年8月期(連結)は、売上高72億円(2.2%増)、営業利益1億5000万円(108.3%増)、経常利益1億7000万円(39.3%増)、純利益1億円(72.4%増)の見通し。配当7円(中間4円)の予定。前期1円復元し4円に戻した。設備投資2億5000万円(前期1億2900万円)の計画。成形機の更新に尽きる。10月20日商いを伴って958円まで急騰。市場が約10年振り復活を先取りした。10月31日の時価総額28億円(前期末連結純資産42億円)。PBR0.67倍に過ぎない。マキタが好調だけにお鉢が回ってくる。