証券ビュー

企業レポート

ボトム圏から浮上 今村証券 9月20日 (2017.09.19)

富山支店がリード役 
100年、70年の脱皮もたらす 
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 今村証券(7175・JQ)は回復。1Q37.4%増収が手掛かり。ボトム圏から浮上した。4月17日富山支店稼働がリード役。トランプ氏や北朝鮮リスクにかかわらず新規顧客予想以上。積年の懸案が1年の準備期間に織り込まれ呉東初。同社9番目の主要拠点となり新風を送り込んだ。宮田支店長(57)は呉西で配偶者が呉東出身と聞いて合点。同支店の運勢を調べると本体と同運で納得。前向きにもう1年しのぐと夜明けがやってくる 。事実、2Q も厳しいという。預かり資産(前期末2142億円)こそ増加しているが、顧客延べ4万5000人の口座が僅かに減少した模様。このため、中長期の経営戦略として情報提供の充実、多様な商品、新規顧客の獲得を掲げ注力しているが、公表した5年で1万5000人新規獲得が優先課題。1921年創業、1944年設立とあって100年、70年の脱皮をもたらすものだ。1971年からコンピュター化に取り組み40年余り。百数十人の営業マンが「アイルート」(自分たちがつくり出したソフト)を自在にこなし対面営業。リアルタイムで必要な情報・受発注をやり取りしている。前期の受入手数料によると、株式43.1%、債券36.4%、受益証券11.3%、その他9.2%。株式のウェートが下がってきた。リーマンショックでも赤字にならなかったのが語り草。ネット証券に負けていない。前期末現預金40億円超、無借金経営。バブル崩壊後地場証券の廃業が相次ぐ中で人材投資の賜物だ。目下、総勢200人体制。地銀や第2地銀と渡り合う上でパワーも出始めた。願わくば、顧客増が見込まれる敦賀や小浜など福井県嶺南地方に支店を出し、京阪神が視野に入れば申し分ない。北陸新幹線の延伸抜きに語れないのも事実。2014年12月、開通3ヵ月前上場を実現しツキがある。県外採用増を加味し前向きで地道なため身近なフロンティアになった。新卒を自前で育てるのが基本。北陸の上場企業(福井県14・石川県26・富山県23)をバックに東証、大証の会員権がパイプ役。富山支店オープンをきっかけに一皮二皮むけるポジションにつけた。バブル崩壊から27年。最後まで残り次世代に橋渡し。新たなステップもうかがえる。日経平均が2万2000円を固めると4万円。1989年12月の史上最高値を更新する旨アドバルーン。それにはインフレが不可欠だ。数年先、経済合理性や取引ルール変更、米朝対立の反動など戦後システムの修正も考えられる。これらを先取りするのが証券というわけだ。
 16日、日経が兜町今や昔と銘打って、日証協18年にも移転検討と伝えた。同日、鈴木会長(大和証券グループ本社の会長を歴任し7月から現職)が名古屋で会見。「名古屋は若い世代の開拓余地が非常に大きい」と述べ、18年1月開始のNISA(小額投資非課税制度)普及に力を入れるという。製造業中心の地域で若年層に投資による成功体験を積んでもらうのが狙い。尤もなことで、同社も新規開拓と預かり資産増に傾注し極力売らない方針。早ければ1年後の夜明けに備え、人材育成に余念がない。

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