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企業レポート

びくともしない 藤久 9月5日 (2017.09.04)

夜明けがやってくる 
数値目標を明らかに乗り切る構え
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藤久(9966)は調整大詰め。カウントダウンに入った。既存店立て直し、出退店抑制、組織強化など前期から本格化。今、来期反転が見込まれる。7月31日引け後発表した前期の下方修正で事実上あく抜け。既存店1.9%減のほか、減損2億8800万円、繰延税金資産取り崩し8200万円計上など。初の純損失5億2000万円にかかわらず、会計処理にとどまり資金流失なし。翌日1724円(9円高)で引けた。時価総額72億円に対し純資産116億円。びくともしない。手芸用品店業界の関連統計によると、2016~17年全体でも落ち込みが大きく正念場。業界大手のユザワヤやパンドラハウスも大苦戦の模様。総務省の家計調査報告(2人以上)を見ても、昨年2月と今年6月を除き前年割れが定着。北朝鮮リスクや円高株安懸念、天災多発など内向きだ。このため、今期の出退店期末466(期首489)、設備投資4億3700万円(前期4億2200万円)、各種教室・新業態導入期末368(期首269)、ビーズスタジオ同37(同17)など明らかにし、徹頭徹尾乗り切る構え。教える(学ぶ)ことを中心に市場拡大を図るわけで、小型店見直しにひきかえ従来型店舗(80~90坪)に教室やビーズスタジオを備え、専門化した体験型店舗づくりを目指す。前期末の在庫54億円(2013年6月期62億円)に締まり今期から流れが変わりそうだ。後藤社長(60)が率先して現場に赴き、従業員も決めたことをやり切ることで納得。前期2、3Q断続的に既存店が100%を回復。4Q追い込み及ばず計画を下回った経緯によるものだ。来年まで調整運。社長も同運で翌年から上昇入り。2022年(創業70年)まで次世代の仕込みとみられ、今、来期じっと我慢。波乱をしのぐ場面と出ている。2016年11月「岡本啓子ニットスタジオ」、17年6月「高橋恵美子のやさしい手ぬい教室」に続き、同7月から「余合ナオミファッションジュエリー講座」開講。通販もカタログ・ネットを含め14億円(19.4%増)がターゲット。今期次第で全体の底上げにつながりそうだ。売上高227億7800万円。営業利益7億8700万円(2020年6月期)が中期計画の目安。あと1年泣いたとしても夜明けがやってくる。
 2018年6月期(非連結)は、売上高223億1600万円(4.3%増)、営業利益3億5900万円、経常利益3億6500万円、純利益1700万円の見通し。配当20円(中間10円)を据え置く予定。3Q 需要期だけに1、2Q 呼び水になりそうだ。ネット通販ひとつ、楽天やアマゾンをしのぐレベルが目標という。現在の苦境が10年前の不作為とすれば、10年後明るい。改善や改良が広がるためで、2032年(創業80年)、42年にかけてリターンが見込まれる。ビーズで一世を風靡した営業利益30億円(03年6月期)と一線を画した展開。AIやロボット、IoT時代にふさわしいコンテンツを期待したい。

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