一線画し業態開発 一六堂 8月16日 (2017.08.15)
再開発が最大の材料
不採算店一掃し既存店収益を確保
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一六堂(3366)は確り。1Q連結14.4%営業増益。一段と締まってきた。不採算店一掃(前期10・今期1)、既存店強化(68)によるもので、減収にひきかえ販管費の改善が顕著。前期から四半期ベースで営業増益が目立つ。事実、6月まで堅調。7月一服したものの利益上振れの印象。首都圏主要ターミナル駅や山手線沿い主要駅など好立地の既存店収益を確保しながら新規出店検討中。目下、条件に見合う物件が割高となり出番待ちだ。最近、新興居酒屋チェーン台頭に伴い大手FCや一般居酒屋との過当競争が再燃。低価格化に拍車がかかっている。同社の場合、国内12漁港と大田市場や築地・名古屋北部市場を通じた青果物の買参権が魅力。直接買いつけにより鮮度、品質、トレーサビリティ、価格も割安。商品のほかサービス向上に努め、高価格帯の業態開発で同業と一線を画している。新たに7月14日の取締役会で役員と従業員70人に対し1590個のストックオプションを表明した。1年延びた八重洲再開発、東京五輪、リニア開業など視野にビジネスチャンス到来。絶好のポジションとみられる。6月からビール安売り規制強化。ハイボールが当たりを取りメーカーも後押し。品質が受けているという。全国7700億円といわれる市場規模にあって、年齢別飲酒習慣率によると、50代が40%超に対し20代4.7%が現状。若年層のアルコール離れが業界の泣きどころで、いいとこ取りも10年、20年がせいぜい。同社は、2015年(設立20年)を境に25年、35年最大のリターンが見込まれる。しかし、50年、100年後を考えると、東京駅前に6000億円との触れ込みで三井不(8801)と東京建物(8804)が50階建てビル2棟を建てる八重洲再開発が最大の材料。本社が八重洲で営業基盤も八重洲(13)、銀座(12)、新橋(7店舗)が主力だけに、念入りなマスタープランが予想される。IoT革命を踏まえ、フローからストックにシフト。さらに、ストックより頭を使う時代がやってきそうだ。5、6月持ち直した総務省の家計調査(2人以上の世帯)や日本フードサービス協会のデータに一喜一憂しても始まらない。
2018年2月期(連結)は、売上高92億7900万円(1.6%増)、営業利益5億1100万円(18.4%増)、経常利益6億1200万円(12.0%増)、純利益3億1700万円(32.0%)の見通し。配当10円(期末5円)を据え置く予定。設備投資2億円(前期9400万円)の計画。100%子会社の柚屋(ゆずや)が出色。1Q売上高2億2200万円(構成比8.3%)のうち1億6900万円外販。グループ取引4分の1に過ぎず引っ張り凧だ。連結売上高100億円、営業利益7億8000万円(13年2月期)がピーク。初代運で新たな流れを自分で作り出すと更新が始まりそうだ。