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企業レポート

ピーク更新視野に ヨシタケ 8月8日 (2017.08.07)

YWTの生産本格化 
連結売上高100億円も夢でない 
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ヨシタケ(6488・JQ)は好調。国内外、連結続伸。ピーク更新が視野に入った。1Q9.1%増収、29.4%営業増益に手掛かり。前期後半、5月15日の上方修正(6円増配)を裏ずけるもので、商品及び製品、仕掛品、原材料や貯蔵品など在庫積み増し。主力の蒸気配管向け製品がリードしている。地道に改良・改善を重ねたもので、ラインナップの隙間を埋める展開。監視システムの受けがいいようだ。輸出も中国やアセアン、中近東など販路拡大。じわり手ごたえが伝わってくる。全体の半分を占めるYWT(ヨシタケ・ワークス・タイランド)の生産が本格化。回転が利いているためだ。2011~12年アユタヤ県の旧生産拠点が洪水に見舞われ操業停止。約25億円投入しチョンブリ県に新拠点を立ち上げ、山田社長(48)が陣頭指揮。昨年10月在位70年の前国王が亡くなり、後継者や暫定政権下で気を揉んでいるが心配ないという。バンコクの商工会議所に登録している日系企業1700社余りで上海に次ぐ規模。貿易総額5兆円超を数え第5位のパートナー。それだけに、現場体験がリアルタイムで本社に届き連携が密になった。同社は、国内バルブ中堅でランキング指折り。日本バルブ工業会によると、2014年にリーマンショック前の生産・輸出入を上回りジリ高。これまで小規模な事業所が淘汰されただけに、願ってもないポジションにつけた。自前主義からM&Aも考えられる。1Q 早々個別をはじめ4子会社そろって堅調。持分法収益も拡大している。このため、10年スパンでキャパ(能力)・スキルアップに意欲。2024年(創業80年)にかけて一皮二皮むけそうだ。連結売上高65億9700万円(08年3月期)、営業利益7億6000万円、経常利益10億1100万円、純利益6億4100万円(07年3月期)がピーク。今期、射程圏にとらえた。
 2018年3月期(連結)は、売上高67億3000万円(5.0%増)、営業利益7億円(9.9%増)、経常利益8億9000万円(4.2%増)、純利益6億8000万円(9.4%増)と慎重な見通し。さらに2円増配し32円配当(期末)の予定。設備投資横ばい(前期約3億円)の計画。来年から調整運で早目の対応が安定に不可欠。グループを大切にすると前向きな力が生まれるという。社長も同運で嵌り役だ。24年以降34年(同90年)にかけて10年リターンが見込まれ、連結売上高100億円も夢でない。当面、1株当たり連結純資産(1Q1562円)回復が目安になる。中国やアセアン、米国の大規模なインフラ投資や東京五輪、リニア、大阪万博、名古屋駅前再開発などホテルや商業施設の需要顕在化。これら建築に加え、工場設備のニーズも根強い。リニアを念頭に10年続くとみられる。蒸気配管向けが一般のバルブ
と違って高採算だけに、数年後様変わりの公算もある。

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