5年で様変わり 名工建設 8月2日 (2017.08.01)
10年フル稼働が続く
リニアの準備工事一巡し本格化
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名工建設(1869)は好調。2012年に名駅一丁目計画建設着手を表明して5年。フル稼働が続いている。4月17日全面開業したJRゲートタワー(名古屋駅)が物語るもので、2027年開業予定のリニア新幹線準備工事一巡。今後10年本格工事が続く見通し。5年前にひきかえ、完工増にかかわらず社員100人減。1人当たりの完工高1.5倍という。同社の場合、前期末従業員1113人(連結1319人)。2016年3月期の連結売上高916億円(営業利益51億円)でピークをつけ、その後施工能力に応じ計画的な受注に自重。100年に一度のビジネスチャンスを事実上持て余している。1987年に国鉄民営化に伴いJR東海が発足して30年。今後10年、新幹線の稼ぎでリニアを立ち上げるにしてもスタミナが気懸り。新幹線収入がGDP(2017年546兆円)に比例するといわれ、前週末東証一部の時価総額610億円とあってバブル気味。旧国鉄名古屋駅完成1937年、同社設立1941年から数えても100年に一度プロジェクトだけに、三菱東京UFJの試算で名古屋圏の再開発プロジェクト延べ87件、1兆9000億円の規模も誇張でない。10で割り1年1900億円を糧に100年の仕込みを意気に感じる。何より、前期3度上方修正。今期も大幅な減益予想で原則と現実が葛藤している印象。この先必ずしも右肩上がりと限らないだけに、従業員やIoT対応などスキルアップが不可欠。直近3期、みるみる引き締まった。一例が事故件数。1Qゼロの模様。営々取り組んでいる安全活動がグループに浸透した。待遇改善を図り施工要員を確保。寄せられた期待にこたえたいという。今期手持ち工事800億円と豊富。このため、受注高825億円(前期891億1000万円)の見込み。パンチに欠けるが、上方修正を期待できる。
2018年3月期(連結)は、売上高895億円(0.4%増)、営業利益32億円(34.1%減)、経常利益34億円(33.3%減)、純利益24億円(30.7%減)の見通し。配当14円(期末7円)の予定。7月31日1Qを発表し前期比大幅増益。JR東海の新幹線大規模改修および地震対策工事の継続が大きい。少なくても10年の長期戦だけにペース配分がポイントだ。会社は来年から調整運でJR東海も仕込みの段階。渡邉社長(64)が周囲の支援もあり上昇運続き。2021年(設立80年)にかけて絶好のポジションにつけた。3大都市圏と静岡、甲府、北陸の支店を結ぶ独自の地盤。7月18日、本店の技術部門約200人がJRセントラルタワーズに移転し本店管理部門と合流した。