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企業レポート

持ち直す見通し 日東工業 7月25日 (2017.07.24)

新計画視野に巻き返し 
次世代ビジネスモデルに取り組む 
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日東工業(6651)は連結反転。持ち直す見通し。リバウンドが予想される。未達に終わった旧中期計画の総括によるもので、前期後半修正予想を上回り1Q計画線上。新計画が緒につくと再び回り出す見込みだ。アライアンスやグループ拡充、菊川新試験棟建設など旧計画主要8項目の仕込みが手掛かり。リーマンショック直後の連結売上高464億円(直前634億円)が僅か5年で1098億円(営業利益138億円)にジャンプ。サンテレホンの連結加入と太陽光発電関連の特需が主因だけに、後者の反動が尾を引くという。電力中央研究所の試算によると、2030年度買い取り総額4兆7000億円。政府推定より最大1兆円上振れと伝えられ、今期64億円(ピーク185億円)の計画。行き過ぎの反動とみられ織り込み済みだ。むしろ、新計画に盛ったコア事業競争力、グローバル化、新規ビジネス。生産・経営基盤強化に現実味。次世代のビジネスモデルに取り組むもので、電気と情報をつなぐ10年後の長期ビジョンがユニーク。連結売上高1250億円、営業利益100億円(2020年度)を視野に巻き返す見通し。6月29日の総会、落ち着いた雰囲気で47分。前向きに進んだという。標準品市場で配電盤のシェア14%(2位)、キャビネット40%(1位)といわれ、対応型ビジネス(盤プロフェショナル)と海外事業(タイ・マレーシア・シンガポールを結ぶ東南アジア)が同計画の目玉。10年スパンの大事業と考えられ、成功するとリターンも大きい。昨年3月、菊川工場内に3軸耐震・風雨設備試験棟を建設。過酷な環境に耐える安心・安全な製品を提案できる態勢を整えた。盤関連でグループの新愛知電機製作所と大洋電機製作所の連携、南海電設の施行・メンテナンスサービスも見逃せない。分・配電盤、制御盤など全ての市場で競争力を強化。特注対応が見ものだ。一方、シンガポールの配電盤・制御盤メーカー「ギャザーゲイツグループ」。国内の安定した品質、量産技術、効率的な販売システムなど投入。タイの子会社エレットと連携し東南アジア全域で電源ソリューション№1を目指すという。このほか、AIやIoTを取り込み業界初の新製品開発に意欲。サンテレホンと南海電設がグループ入りしてから一部始終合理的。スワリがよくなった。
2018年3月期(連結)は、売上高1070億円(0.3%増)、営業利益64億円(3.0%減)、経常利益62億円(3.2%減)、純利益38億円(15.7%減)の見通し。配当40円(中間20円)の予定。今期から連結配当性向30%、同純資産配当率等を勘案して決める。設備投資34億4000万円(前期60億5900万円)の計画。31日1Q発表の見込み。8月に感震ブレーカーを発売するが、モニター用に無償で取りつけた奈良県五條市の伝統的建設物保存地区(文化庁)が普及の足掛かり。政府は2024年まで密集市街地の普及率25%(現在数%)を目指している。今年も運気好調。早目の対応が安定をもたらすという。

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