証券ビュー

企業レポート

1Q 連結強含み マキタ 7月20日 (2017.07.19)

現場の声反映し新体制 
エンジンから充電へライバルなし 
企業HPご案内   前回の企業レポート 
マキタ(6586)は新体制。1Q 連結強含み。健闘している。直近4期100年の橋渡し。会長(70)と前社長(69)の采配によるもので、電動工具からOPE(園芸機器)。エンジンから充電式も次の100年を巡るテーマ。徐々にプラットホームが広がり軌道に乗り始めた。後藤新社長(42)は会長の長男。中興の祖と語り継がれる後藤十次郎元社長のひ孫。会長同様42でトップに就任し、創業来大切にしてきた「現場の声」を経営に反映し、本当に求められる製品やサービスを追求する旨メッセージが伝えられた。6月28日の株主総会、立て板に水。質問なしという。2005年、リチウムイオン電池による充電式工具を投入。13年、シャープ(6753)と資本業務提携し、ハードな電動工具にセンサや電子制御のソフトが入り100年の架け橋。世界の市場規模が電動工具2兆円に対し、OPE4兆円(前期推定300億円)といわれ、電動工具同様2割のシェアを目指す門出になった。前社長の空白地を埋める販売・サービス網と手厚い保守が印象的。景気が回復した時恩恵が出るという。直近タンザニアに営業拠点をつくった。就任直前の連結売上高3096億円(営業利益453億円)にひきかえ、前期同4149億円(同625億円)と僅か4期で高い伸び。売るだけでなく地道な保守、サービスによるものだ。2013年当時1ドル95円(前期83円)、1ユーロ125円(同107円)が基準レートで今でも慎重。中国をはじめ海外生産が8割以上占め人民元にも敏感。しかし、前期末の連結棚卸1674億円(6.4%減)を見ると、実在庫に為替の影響も減少し健全。1Q単価、数量も確りで円安に振れた。米ドル105円、ユーロ115円、人民元16.1円が基準レート。通期の生産計画2730万台(3.3%増)に意欲がうかがえる。トップが27年若返り、取締役13人、監査役4人、執行役員8人も変化の対応待ったなし。約10年、次の100年の仕込みに追われる見通し。現在、会社が踊り場を迎え、新社長右肩上がり。会長も同運でグループ約1万5000人の結束が先決。ぶれない経営が最大の魅力だ。米スタンレー・ブラック&デッカー、独ボッシュと並び世界3強一角。この上、OPE、充電式もライバルが見当たらず、バッテリー開発が生命線。国内はおろか海外の顕在(潜在)需要も膨大とみられ、最初の1年が肝腎。新社長は海外営業本部長が前任で国内行脚に明け暮れている。
 2018年3月期(連結)は、売上高4180億円(0.7%増)、営業利益600億円(4.1%減)、税引き前利益620億円(4.2%減)、純利益430億円(4.0%減)の見通し。4月1日1対2の分割により中間配当10円の予定。連結配当性向30%を基準に期末確定(前期100円)の見込み。設備投資190億円(前期132億円)、償却100億円(同89億円)、研究開発費110億円(同101億円)の計画。排ガス・燃料・始動の手間ゼロで低騒音の充電製品に取り組み活発。高出力・高容量に小型・軽量化。一つ電池を持つと他の工具も使えるため、シリーズ拡大に余念がない。

>>購読ご案内