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企業レポート

2~3年後本格化 スズケン 6月21日 (2017.06.20)

2、3Q新戦略浸透 
自前の医療ネットワーク再構築
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スズケン(9987)
は正念場。連結2期連続減収減益の見込み。新体制1年で新たな対応を迫られた。市場激変によるもので、医療費抑制、ジェネリック使用促進、長期収載品減収など逆風加速。4月から本社4本部(従来7)、20部(同31)制。ソリューション提案活発。1Q早々、中期成長戦略「One Suzuken 2019」を掲げ取り組み始めた。スペシャリティ市場拡大、地域医療連携推進制度、地域包括ケアシステムなど、ビジネスチャンスと受け止めているもののデフレ要因。このため、無駄の排除と働き方改革を通じて販管費を改善するOne Point Improvementが2019の決め手。前中期成長戦略「One Suzuken 2016」より継承したNumber One(顧客信頼度最大化に挑戦)を実現する上で、One Group(共通の基盤と価値観)、Only One(唯一のビジネスモデル)を定め一歩踏み込んだ。さらに、協業による新たなビジネスモデルへの挑戦、アジア市場における事業基盤の確立、取引から取組へ収益モデルの変革など盛沢山。グループと協業パートナーの機能・事業連鎖により新たな付加価値をつくり出すという。例年1Q年度末の反動に見舞われ、2、3Q新戦略の浸透が見込まれる。前期(連結)、売上高と純利益が計画を上回っただけに市場の反応も冷静だ。また、C型肝炎治療剤902億円(直前期1709億円)を計上。今期医療用医薬品全体の伸び+1.8%に対しC型肝炎治療剤の減少を考慮して同社-1.3%の見通し。「特需」一巡により採算の落ち込みが避けられず、2025年ビジョンに沿って事業再構築。自前の医療ネットワークによるもので、前回述べた医療流通プラットホームの取り組みが目覚ましい。協業パートナーのIoTシステムを結び、スペシャリティ医薬品の流通にソリューションを導入。次世代のシステムに一新する運び。BCP(事業継続計画)体制を強化し、全国GDP基準対応のメーカー・卸物流に輪配送ターミナル機能を持つ物流センターも立ち上げた。償却負担が峠を越す一方、収益に貢献しそうだ。現在パイプライン7本を数える医薬品製造事業、保険薬局に医療関連サービス等事業にも跳ね返る。
2018年3月期(連結)は、売上高2兆1000億円(1.3%減)、営業利益103億円(45.0%減)、経常利益190億円(31.6%減)、純利益121億円(43.2%減)の見通し。配当54円(中間27円)を据え置く予定。設備投資165億円(前期142億7900万円)。償却112億円(同117億6800万円)の計画。2017、18年調整運で19年から上昇運。宮田社長(56)も同運で人選よし。2年泣いても朝日がのぼるポジションにつけている。「One Suzuken 2019」に成功をもたらすものだ。

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