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企業レポート

持ち直す公算大 中京医薬品 6月20日 (2017.06.19)

息を吹き返す配置薬 
「ふれあい」推進を突破口に喝入る 
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中京医薬品(4558・JQ)は出直り。1Q計画線で推移。持ち直す公算が大きい。5月15日に発表した新中期計画(2017年4月~19年3月)によるもので、直近連続未達だけに3度目の正直。需要期の3Qが前半のピークとみられる。ドラッグやコンビニ、ホームセンター。さらに、ネット通販など市場参入に対抗し、コア事業のヘルス・ケア(家庭医薬品等小売)をテコ入れ。「ふれあい」推進を突破口にライフ・ケア(同卸売)、売水事業にも喝が入った。顧客の7~8割高齢者で衰退産業といわれるが、医薬品のルーツでもあり、300年以上続く日本のレガシー(遺産)。むしろ、団塊の世代が後期高齢者入りする2025年を目安にビジネスチャンス。同世代、大半置き薬を知っている。本場の富山で生産額こそ全体の2.6%(ピーク12%)にとどまるが、全国3000万家庭といわれる後ろ盾。指折り数社残っただけに復活を期待できる。しかし、対面販売の制約、デフレに伴う単価下落、消費減退など構造要因が生産性向上を阻んでいることも事実。このため、上越、久留米に続き長岡(新潟県)にも営業所を新設(現在66)。アクアマジック・保険事業と連携、配置薬など委託強化、女性・シニア社員採用増。さらに、階層別研修やタブレット活用による顧客サービス追求などアップデート。健康づくり・幸福づくり・人づくりを反復し、トータルライフ・ケアを後押し。今秋にも大手子会社との業務提携が具体化する見通しだ。葛根湯、和漢胃腸薬、熊胆円などベストセラーの改良・改善にも意欲的だ。主力の家庭医薬品等小売77.8%、同卸売11.4%、売水事業10.6%が前期の構成比。全て黒字を確保している。売上高65億円、営業利益3億円、ROE5%(2019年3月期)など新たな数値目標に決めた。3月の組織改編、人事異動を助走に周知徹底。2Q乗り切ると3Q加速しそうだ。3Qといえば、10月7・8日の第8回はんだ山車まつり。5年に一度半田市役所周辺を舞台に10地区31両が一堂に合流し、前回53万人(第1回8万人)の観衆を集めた。今回、山田社長(72)が実行委員会の会長。観光大使が76人公募で半田市民から選ばれた。昨年亀崎の潮干祭がユネスコの無形文化遺産に登録され、動員記録を大幅に更新しそうだ。神事であり、伊勢は津でもつ津は伊勢でもつ。尾張名古屋は城でもつという伊勢音頭が流れる。
 2018年3月期(非連結)は、売上高61億円(4.0%増)、営業利益1億3000万円(13.6%増)、経常利益1億4500万円(8.9%増)、純利益5500万円(12.3%増)と慎重な見通し。配当5円(中間2.5円)を据え置く予定。経常利益8億4600万円(02年3月期)をピークに15年調整。転機が迫ってきた。2016年から上昇運。17年新たなチャレンジと出ている。天の計らいだ。6月4日の半田市長選で現職(68)3選が決まったものの、次点の女性候補(37)に964票差の1万9903票止まり。時代が変わろうとしている。一方、社長は地元半田高校(旧制愛知7中)のOBで来年開校100年。経団連7代会長平岩外四氏、現在13代榊原定征氏もそうで、複数輩出したのは日比谷と同校のみ。このほか、ソニー盛田昭夫氏、東芝の岩田弐夫氏、トヨタの石田退三氏など同郷にあたり、北前船と同様に尾張廻船がパワーの源泉といわれる。配置薬も息を吹き返すに違いない。6月13日、「劣等感で超えろ」(中経マイウエイ新書035著者山田正行)が出版された。

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