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企業レポート

時代の変わり目 キムラユニ 6月6日 (2017.06.05)

原点に戻りお客第一 
巻き返し1年後新中期計画を発表 
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キムラユニティー(9368)は巻き返し。物流サービスをはじめ4事業挙げて「お客様第一」の活動を展開。4期振り連結ピーク更新の構えだ。前期2度下方修正し、中期計画に沿って最終年度に挑戦。御大トヨタ(7203)の続落予想に与しない。「売るには買う身になれ」と伝えられる創業の原点に戻り、新体制に伴うスマート化、活性化。めいめい現場のよい考え・やり方をグループ全体に反映するのが狙い。直前期、最高になった格納器具とNLS(ニューロジスティクスサービス)の反動減が主因。主力の〈深トヨタグループ事業〉188億2000万円(1.6%減)、NLS事業92億2400万円(0.2%減)によるもので、今期それぞれ194億6000万円(3.4%増)、91億8000万円(0.5%減)の見込み。このほか、子会社減損2億8200万円に対し退職給付信託設定益2億7100万円を計上。予想を下回ったものの、経常、純利益とも増益を確保した。経済合理性がにじんでいる。1年後、新中期計画が発表されるが、前期と今期の検証を通じて時代の変化も明らかになる見通し。NYダウ、日経平均が物語るもので、昨年来、英国EU離脱、米国トランプ大統領当選、北朝鮮情勢やTPP、パリ協定など手詰まり。国内の森友・加計学園問題や改憲など然り。何も起きないことを仮説に検証するほかない。1Q計画線というが、2~3Q踊り場。正念場も予想され、自分たちよりお客の利益を守ることができるか課題。中期重点強化事業の中国(前期11.7%減収)、北米(同9.1%増収)、自動車サービス事業(同3.4%減収)もそうで、同社の提案にお客が喜ぶと跳ね返りも大きい。前期、トヨタグループ依存度40.1%(0.2%増)。GMが設立100年でトヨタに77年販売台数世界一の座を明け渡したように、トヨタの同100年(2037年)が最大の節目。直後GMが破綻しただけに、これから20年真剣な対応が望まれる。現在、創業136年(設立44年)を数えるが、AI・ロボット・IoT革命の最中。世界の小売最大手ウォルマートがアマゾンに差し込まれ、有力ネット通販を買収し対抗する時代。豊田織機(6201)も産業技術総合研究所と共同でAI・ロボ開発に乗り出した。同社はNLS事業にアパレル、文具、電機、自動車、陶器、医薬品関連など優良得意先を持ちながら、前期ネット通販が大幅に縮小した。
 2018年3月期(連結)は、売上高490億円(4・3%増)、営業利益21億円(22.7%増)、経常利益22億円(12.1%増)、純利益13億円(24.7%増)の見通し。配当27円(中間13円)を据え置く予定。設備投資50億円(前期49億円)の計画。2017年後半から調整運。慎重な行動が望まれる。木村社長(63)も同運で18~19年思案のしどころ。アンテナを張り巡らせ適応策を練る場面。世界と日本の変わり目に前期と今期検証に尽きる。オーナー経営が130年以上続きタフな血筋だ。日本は、200年企業が3146(世界の46%)を数えダントツという。

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