4Q追い込み待ち CKD 12月13日 (2011.12.12)
面白い生涯現役制度
課題は海外の次世代インフラ
CKD(6407)は健闘。予想を上回る折り返し。3、4Q慎重だが堅調な見込み。10月31日の上方修正によるもので、主力の自動機械、機器ともに通期前年並みを確保。来期は半導体関連底入れを手がかりに明るさを取り戻す見通し。11月20日に石田前社長死去(69)。年明け1月23日お別れ会がある。神田元社長とバッテリーを組んだ中興の祖。ITバブル崩壊を契機に徹底的な体質改善に取り組み、07年3月期に連結売上高1042億円、最高純益75億円を計上した時のトップ。あれから5期、リーマンショック、震災、原発事故、円高、欧州債務危機、タイ洪水、直近TPPなど様変わり。このため、従来の取引先はじめ海外、成長市場の対応急ピッチ。役員会、監査役会の交流活発という。4月に生涯現役制度を採用した。将来の雇用不安解消、技術伝承など質の高い労働力確保が狙い。60歳以上は約70人で30、40人対象といわれ、年金との兼ね合いや総人件費の枠内で調整。上場企業初の試みで成功すると面白い。優秀な人材が集まるとみられ、フロンティアの海外と成長市場シフトに拍車。連結売上高850億円、営業利益90億円(2013年3月期)を目指す中期計画実現につながる。例年3Q小動きだけに4Q追い込み待ちだ。
2012年3月期(連結)は、売上高720億円(横ばい)、営業利益60億円(20%減)、経常利益59億円(22%減)、純益34億円(26%減)に修正なし。配当は12円(期末6円)の予定。自動機械でリチウムイオン二次電池製造装置が活況。薬品包装、照明装置もしっかり。機器ではEV、二次・太陽電池、スマートフォン関連など堅調。落ち込んだ半導体製造装置関連が持ち直すと駒が揃う。2012、13年(70周年)調整運だけにクールな対応が望まれる。課題はインドを含む海外販売・生産拠点整備、無錫新区内の中国新工場立ち上げ(2013年3月竣工予定)、自動機械の中国生産など現地対応。中国やアジア向け資本財、中間財をさばくもので次世代のインフラ。何が起きてもこなさないと70、80周年さまにならない。海外売上高22%(2Q連結累計)、同生産5%(同)に過ぎず、目標それぞれ26%、20%程度で済むと考えにくい。無錫は17年前から延べ30年以上のつき合い。信頼関係があり40、50年続く。来年は世界中選挙の年。翌年反動もついて回るが、震災とタイ洪水に伴う復旧、復興、復活の実需が手がかり。12日581円で引けたが、今後受注増が見込まれ高いとみられる。