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企業レポート

5月1日上方修正 マルサンアイ 6月1日 (2017.05.31)

後半盛り上がる公算大 
成功しないと収まらない新工場 
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マルサンアイ(2551)は尻上がり。2Q連結累計50.3%営業増益で折り返した。追い風参考という。5月1日の上方修正によるもので、計画より3%増収が主因。6期連続増収(過去最高)に原価・販管費の改善寄与。さらに、デリバティブ評価益1億4800万円(前期同評価損1億1500万円)を計上。経常、純利益も跳ね上がった。前期と似たパターンで慎重だが、みそ(構成比19.5%)が採算を確保し豆乳(同58.5%)続伸。受託製造やアーモンド飲料減少を豆乳グルト、甘酒、水煮大豆等の増収で吸収。ビジネスチャンスの真っ只中にある。豆乳飲料事業の拡大が手掛かり。鳥取工場稼働後の売り場拡張、新製品・輸出・第3のミルク強化など続々。同工場稼働が今年10月から7月に繰り上がったうえ、昨年11月ベンチマークFSSC22000(食品安全)を取得。世界や国内の食品メーカーにマネジメントシステムの有効性をアピールできる。それに、売れ筋の豆乳グルトがモンドセレクションで唯一3年連続金賞の折り紙つき。マーケットリーダーになった。3Q 発表8月2日の予定で後半盛り上がる公算大。熊本・鳥取地震の影響もあり新体制が引き締まった。キャパが上がり生産性向上によるもの。主力製品1000mlサイズの豆乳を関東工場(群馬県)、本社工場(愛知県)、新工場(鳥取県)、協力工場(熊本県)で生産し4拠点。バランスがよくなった。現在、年11万klを新工場稼働により25%増強。2期工事でトータル15万klの規模。首尾よくいけば、質量ともに様変わりだ。何より、新工場が日銀のマイナス金利決定後に舞い込んだ案件。破格の好条件で60億円調達し17億円追加。同社65年の歴史で記録尽くめの経緯。天の時、地の利、人の和が見事に合致した画期的なもの。これで成功しないと収まらない。目下従業員32人だが、2022年以降100人レベル。水質をはじめ立地条件抜群で、国や自治体の税収を潤し、地元に雇用増をもたらす上でも価値がある。指折りの兼子取締役(マルサンアイ鳥取社長)(59)と堺取締役経営企画部長(58)中心に現場が回り出した。ともに上昇運で会社が来期から償却負担をかぶり減益になるのと逆相関。4、5期後屈指の高収益が見込まれ、実現すれば今、来期の仕込みによるものだ。
 2017年9月期(連結)は、売上高243億9600万円、(0.7%増)、営業利益4億9600万円(33.7%減)、経常利益4億7800万円(10.0%減)、純利益2億6700万円(15.0%減)に修正なし。再び上方修正も考えられる。配当は期末30円を据え置く予定。設備投資51億4900万円(前期22億5500万円)、償却8億3200万円(同6億7000万円)の計画。渡辺社長(61)が2017、18年調整運で「じっと我慢」と出ている。昨年12月15日の総会。約250人(単元株主約3000)参加。70分で終了というが、6~7質問を受け長いのもあった模様。前向きなもので結構背中を押されたようだ。

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