トップ若返り 名古屋電機 5月22日 (2017.05.20)
予想以上の滑り出し
新体制緒につき17年右肩上がり
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名古屋電機工業(6797)は堅調。予想以上の滑り出し。総会前に新体制が回転し始めた。2月のトップ人事によるもので、オーナー系の服部高明社長(40)に若返り。闊達な雰囲気だ。干場前社長(68)が特命顧問のポストを担い後押し。前期2度下方修正、3円減配を受けて巻き返しに入った。2016年(創業70周年)を契機に「第2の創業」を目指し、17~20年度ピーク(1997年度売上高223億円)更新を打ち出したばかり。売り上げ拡大に心血を注いだ前社長に対し、利益の確保が焦点になりそうだ。これまで17年実務に精通し10年や20年リードできる。英国EU離脱、米国トランプ体制、フランス中道最年少大統領誕生など軌を一にして時代の風が吹き込んだ。前社長から延べ8年、営業、コストダウン、海外、M&Aなど多くを学んだという。国内初の情報板が設置された1966年を振り出しに半世紀余り。64年東京五輪と70年大阪万博が同社のITS情報装置事業を促し、2020年東京五輪と27年リニア開業も新たなビジネスチャンス。国交省や高速道路各社で大規模な改修が見込まれ、第一実業(8059)や日本信号(6741)、アンリツ(6754)など提携やインドの事業も緒についた。売上高85億9700万円(2006年3月期)から2期大底を体験し、その後10年再構築に取り組んだ経緯から、すっかりアク抜けしている。事実、前期主力の情報装置8.1%増収(16.4%営業増益)。下振れした検査装置14.6%減収(営業損失6億4200万円)を吸収した。今期も受注残92億円(前期81億円)をベースに堅調な見込み。大型案件が一巡し採算の落ち込みも予想されるが、一つひとつ前向きに構えている。FA検査装置の受注も増加し、売上高22億円の見込み。このほか、照明・車載の多度工場が事実上休眠状態で黒字を計上。底力もうかがえる。また、手狭だった福岡支店が移転に伴いスペース約3倍。1階にはFA検査装置のショールームを配置している。
2018年3月期(非連結)は、売上高172億円(14.8%増)、営業利益3億円(29.2%増)、経常利益3億3000万円(28.6%増)、純利益2億6000万円(2.5倍)の見通し。配当は期末7円の予定。設備投資2~2億5000万円(前期4億3000万円)の計画。償却(前期2億円)の範囲内が原則。前期4Q 64億4800万円(営業利益12億4400万円)稼ぎ、今期も年度末が新体制の前途を左右しそうだ。昨年上昇運入り。17年右肩上がりだ。やればやるほど天が味方するという。服部社長は調整運。来年まで続き仕込みのチャンスだ。やがて財運、後継者にも恵まれ、じっと我慢で波乱を乗り切る年回り。前向きなら何が起きても解決できる。