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企業レポート

逆ザヤ解消し反転 ダイセキ 5月2日 (2017.05.01)

ソリューションが目玉 
グループ全体でもステップアップ 
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 ダイセキ(9793)は復調。1Q連結反転。上振れも考えられる。本体が3、4月ピーク更新。グループをリードしているためだ。原油需給好転によるもので、2016年1月WTI1バレル26ドル(ピーク08年7月146ドル)をボトムに反転。前期3、4Q尻上がりに逆ザヤが解消した。今後、OPEC減産合意、サウジ国王来日、アラムコ上場など勘案し50~55ドルが目安。グループ全体でも採算改善が見込まれる。その点、環境ソリューション(1712)が目玉。愛知県弥富市に立ち上げた国内最大級の土壌汚染処理施設が3月に完成。年130万トン(3割増)に引き上げる計画だ。現在3ヵ所ある同施設の能力増強。築地市場の豊洲移転で火がついた土壌汚染処理需要にこたえる。五輪やリニア開業を控え首都圏中心に大規模なプロジェクトや再開発が続出。空前のビジネスチャンスを迎え、さらに用地を物色中だ。一方、07年グループ入りしたMCR(鉛リサイクル)、10年同システム機工(大型タンク洗浄)も再構築。逐一締まってきた。グループ全体で17年愛知環境賞において名古屋市長賞を受賞。第20回環境コミュニケーション大賞・環境報告書部門で優良賞を受賞した。また、前回お伝えした再生鉛に続き再生重油もJIS認証を取得。環境負荷低減に取り組んでいる。具体例が、燃料化による年51万トンのCO₂削減や汚染土壌をセメント原料に90.3%リサイクル、廃石膏ボード99.8%リサイクルなど。AIやロボット、IoTの入り込む余地に乏しく、あっても輸送か廃油のトレーサビリティー程度。規制が厳重なため、対面ビジネスでないと回らない。働き方改革と対峙しているが、相手や機械任せに出来ないところがミソ。単に産業廃棄物の中間処理・リサイクルのパイオニアでなく、災害・緊急時を含め全国レベルで環境・循環型社会に貢献できる企業と手を組みたいという。設立当初の焼却処理や埋め立てから環境問題解決のため技術開発に傾注。再生重油、BDF、低濃度PCB収集、廃バッテリーリサイクル、タンク洗浄など一連の資源リサイクルに戦後70年有余の地歩。2025(創業80周年)~35年にかけて相当なリターンが見込まれる。17~18年調整運で仕込みのチャンス。柱社長(56)も同運だけに、事業100年を左右する年回りになりそうだ。
 2018年2月期(連結)は、売上高488億円(10.3%増)、営業利益83億8000万円(17.6%増)、経常利益84億6000万円(17.0%増)、純利益49億8000万円(20.5%増)の見通し。前期1円増配し、29円配当(中間14.5円)を据え置く予定。設備投資80億円(前期37億円)の計画。今期65億円見込まれ、延べ100億円環境ソリューション関連。この上、首都圏南に本体の新工場構想が固まると最大のステップ。1年前、連結売上高700~800億円が視野に入ると述べた。柱社長就任10年(創業80周年)がポイント。グループ全体も若返り質量ともに 拡大しそうだ。

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