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企業レポート

底固め 大宝運輸    12月8日 (2011.12.07)

分厚い人材の層が魅力

マッチングすると回り出す

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大宝運輸(9040)は底固め。試行錯誤が続いている。震災、原発事故、円高など地元製造業の影響が大きいためで、主力の飲料、日用品、雑貨等トヨタ関連がざっと半分。同社より取引先がいち早くご時世の適応を迫られ、全人教育による安全運転がついていけない状態。2Q累計予想を下回った。たとえば、トヨタの採用した木金休み土日操業。物量を確保しても価格競争、燃料高など引き合わず。「正常」になった10月以降もタイ洪水、欧州債務危機が伝えられ、直近クリスマス、正月気分さえ出てこないという。食品卸大手菱食の再編も対応が難しい。このため、12ある本支店レベルの取り組みが手がかり。家具の大口取引先を失った岡崎支店が新規顧客と合理化で息を吹き返し、四日市や三好支店が地域密着の新規プロジェクトに踏み込むなど案件活発。10月の大宝運動会(第35回)で本社が総合優勝したのも何かの前兆。まだ「何も起きていない」(小笠原社長)という。一般のレクレーションと一線を画し、社員と家族1200人が木曽三川公園に集まり、本支店12の間で入場、競技、パフォーマンス、応援合戦などありったけ力を振り絞るもの。このほか文化祭、物流フェスティバルも主要行事。1975年172件あった事故が10年後15件に激減し業界でも指折り。今期これまでわずか5件に過ぎないのも運動会がきっかけ。事故の確率2万分の1という。2010(創業90年)、11年(設立60年)を節目に一皮、二皮むけるところ。30年以上全人教育による分厚い人材の層が魅力。ご時世にマッチングすると回り出す。

2Q累計(非連結)は1%減収、26%営業減益、27%経常減益、87%増益の折り返し。震災直後の大きな落ち込みから回復したものの頭打ち。踊り場が続いている。昨年始めた輸入自転車。現在月5000台さばき順調。自転車小売りチェーン最大手あさひ(3333)と見ているとわかる。2012年3月期(非連結)は、売上高95億円(2%増)、営業利益4億円(52%増)、

経常利益同(474%増)、純益2億円(74%増)に修正なし。配当は10円(期末5円)を据え置く予定。96年の上場当時、売上高81億円に対し営業利益8億円、従業員784人。リーマンショックから外部環境が一変し、成功体験が通用しなくなった。来年は反転後にやってくる安定運。底固めとみた。岡崎、四日市、三好支店をモデルにご時世とマッチング。横に広がると本社も沸き返る。7日253円で引けたが、実質無借金で1株当たり純資産907円。半年、1年後が楽しみだ。

 

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