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企業レポート

80億円も視野 福島印刷 4月11日 (2017.04.10)

4期連続増収の見通し 
BPO取り込みボリュームアップ 
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福島印刷(7870)は確り。増収減益の折り返し。逐一ボリュームアップした。顧客のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)取り込みによるもので、売上高4期連続ピーク更新の見通し。設備投資が計画(9億1800万円)を大幅に上回り、償却負担・人件費増に追われ胸突き八丁。テイクオフ目前とみられる。IoT革命を受けて企業の業務プロセス拡大が続いているためで、品質保証と情報セキュリティに傾注。14年越し売上高60億円突破(2015年8月期)を実現し上振れ。80億円も視野に入った。3月9日、日本郵便主催の第31回全日本DM大賞で集英社を共同制作者に銅賞、審査委員特別賞クロスメディア部門受賞のリリースが印象的。同社の「UDメール」が雑誌と連動し、タイムリーな企画として評価された。web浸透に伴う印刷需要の減少や価格競争、原材料値上がりなど業界の淘汰が進む中で毎期脱皮。ルーツのビジネスフォーム(2Q累計18.2%)、企画商業印刷(同6.1%)をこなす一方、IPDP(事務通知)とDMDP(販促)に活路を見出した。これまで国民健康保険証や各種DMの出力封入・発送業務など実績を踏まえ、月2700万件のぼるDM処理件数を今後4500万件に引き上げる構え。昨年3月非常時に備え発電機を導入してBCP(事業継続計画)対策を強化したほか、最新加工機本格稼働。本社工場とさいたまサテライト2拠点でメーリングパック拡大。さらに、ITスキル強化のため人材育成にも意欲的。ITパスポート取得率40%という。提携先の廣済堂(7868)が昨年11月新経営計画発表を見送り5月に変更。減損処理や本社移転、拠点集約など優先した。DMとBOD(ブックオンデマンドサービス)を通じて互いの経営資源を有効に活用するもので再スタート。2015年6月伝えられた「3年後10億円」構想を持ち越した。さいたまのサテライトが鍵を握っている。自前主義を補完できるため前向きだ。市場から検証すると、両社ともリーマンショック直前の高値を抜き理想買いの反動と考えられる。同社の場合、今年も社運好調で追い風。後半見ものだ。
 2017年8月期(非連結)は、売上高71億2000万円(7.9%増)、営業利益1億2800万円(62.3%減)、経常利益1億3900万円(59.9%減)、純利益8800万円(42.9%減)と従来通り、配当10円(中間5円)の予定。設備投資10億円突破(前期8億7300万円)の見込み。償却負担・人件費増を加味すると実質増益。4期連続増収で精気がみなぎっている。2016年電子書籍元年といわれ、1450年グーテンベルグ以来の過渡期。DMDP、IPDPの高い伸びを独立変数に2018年(創業90年)が新たなステップの目安になる。

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