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企業レポート

新要領こなす 文溪堂   12月7日 (2011.12.06)

先取点入り追加点も

現場のニーズ・シーズを反映

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文溪堂(9471)は好調。2Q連結累計売上高、経常最高の折り返し。新学習指導要領をこなしている。来年度から中学校も完全実施になるほか、移行措置の同期予想以上の滑り出し。例年上期1・2学期品、上下刊品、年間品の売り上げが計上されるだけに、先取点が入り追加点をうかがうような印象。3・4Q、来期につながりそうだ。新要領は1980年に始まった「ゆとり教育」の反省に立つもので、30%減った内容に対し25%復活。量以上に質を問われる場面。出版・教具ともに3%前後増収で現場のニーズ・シーズを反映している。児童書で12年ぶり5作目「バムケロ」のヒット、市販でも第56回に続き連続で青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選ばれた「犬どろぼう完全計画」が手がかり。完全対応を目指した新要領シフトがつきも呼んでいる。およそ小学校10に対し中学校1の割合。図書教材、教材教具、市販図書挙げて改良を重ねシェア上昇。来年2Q発表を目安に相対的にもポジションが上がる見込み。今期は小学校の全面改訂、中学校移行措置に伴う編集負担増、原価高、在庫処分など大幅減益予想だが、3・4Q持ちこたえると再び上振れ。幅はともかく配当(単体の純益40%が目安)も跳ねる。編集費負担は改訂初年度50%、2年目30%、3年目20%。今、来期スタート早々新要領のゴールを先取り。上昇気流に乗ったまま。日本は出口に甘い高等教育より入口にうるさい初等教育に定評。同社は1900年ちょうどの創業で初等教育に傾注している。

2Q連結累計は、3%増収、13%営業増益、同増益、17%増益。震災対応を含め計画を上回った。阪神大震災が免疫。岐阜国体にバドミントン3選手を送り出す運びで心地よい。2012年3月期(連結)は、売上高106億7000万円(1.5%増)、営業利益3億6000万円(40%減)、経常利益同(42%減)、純益1億7000万円(38%減)と修正なし。配当は8.8円(中間4.4円)の予定。1・2Q飛ばしただけに3・4Q呼吸調整。緊張が清々しい。来年3月号で学習雑誌の小学三年生、四年生休刊。残るは1年生と2年生のみ。小学三年生は4月号が1973年102万部をピークに今年4、5万部というから驚いた。教育もデジタル対応が不可欠。ネットによる提案も活発になっている。同社の場合、2010年を節目に陰から陽の10年。11年から50、100年の仕込み。新要領移行と重なった。昨年上昇運に入り暖まったところ。今年、来年が次の流れを決める。

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