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企業レポート

前期3、4Q反転 岡谷鋼機 4月5日 (2017.04.04)

鉄鋼はじめ軒並み強気 
期待先行の反動織り込み切り返す  
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 岡谷鋼機(7485)
は堅調。連結3期振り増収、2期振り営業増益の見通し。正念場を乗り切った。前期3、4Qの反転によるもので、政府・日銀一体の金融・財政テコ入れと英国EU離脱、米国トランプ政権誕生、中国の鉄鋼減産に寄せる期待先行の円安株高、資源価格回復など手掛かり。連結売上高予想によると、鉄鋼3350億円(12.3%増)、情報・電機1670億円(2.7%増)、産業資材2610億円(10.4%増)、生活産業570億円(1.6%増)と軒並み強気。円高株安や原油先物安など予想される反動を加味したものだ。何より、直近4期連続純利益100億円大台を確保。力をつけた。全員参加の新中期計画Gih-2020(2016~20年度)を立ち上げ、売上高より中味、より具体的な成果をテーマにやり切ることが求められた。同計画初年度の連結売上高8000億円、経常利益200億円に対し内輪で50、30点の声もあるが、調整あと2年という社運にありながら健闘。岡谷社長(72)も同運で天を味方につけたような印象。一事が万事踏ん張りどころだ。リーマンショック直後、17.8%(09年2月期)に落ち込んだ自己資本比率が前期末39.3%まで上昇。2年後、創業350年を迎える老舗と思えない。同ショック直後の「プロジェクト本部」(現経営企画部プロジェクトチーム)が問題解決の糸口になった。同計画18年度の目標が連結売上高8500億円、経常利益250億円だけに、「調整あと2年」をモノにできる。鉄鋼の場合、数量増の単価安。従来半年、1年の契約が四半期ごとに繰り上がり、スポットに連動するケースが増加している。一方、中部の航空機産業。ボーイング減産とMRJ5度目の納期延期が伝えられ、同社の取り組みによると、材料受注やメンテナンスなど助走にとどまり離陸にほど遠い。しかし、10年スパンで30、50年の大事業。AIやロボット、IoTと並びポスト自動車に不可欠なテーマだ。さらに、2月伝えられたJR春日井駅南東地区の再開発。スポットとはいえ矢作建設工業(1870)に野村不動産と共同プロジェクト。この先自治体のハコもの運営難が予想され、成功するとPFI事業(民間主体に運営移管)の呼び水になりそうだ。一方、株式併合と優待見直しにより株主増が顕著。前期末の単元株主3530人(16年2月期3416人)になった。市場の反応よし。米国岡谷のシリコンバレー事務所開設、子会社統合、慣例のチャリティーコンサート(7月31日)など地道でポジティブ。蓄財の才能が見事で子孫にも恵まれる社運という。
 2018年2月期(連結)は、売上高8200億円(8.9%増)、営業利益160億円(10.6%増)、経常利益195億円(8.0%増)、純利益130億円(12.0%増)の見通し。さらに5円増配し180円配当(中間90円)の予定。設備投資30億円(前期34億1100万円)の予定。今期も3Q(9~11月)がポイント。期待先行の反動が予想され、切り返すとみられる。日本にバブル再燃の兆候が出てきた。

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